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「聞く」という仕事 第七回 「変わる」ために/辻本力(仕事文脈vol.20)

 遡ること二号前(第五回)、「ベタな質問」と題し、インタビューの席でついしてしまいがちな、いわゆる〝紋切り型な質問〟というものについて考えてみた。例えば、新作を発表した作家に、「この作品を書いた動機は何なのでしょうか?」と聞くような、アレだ。おそらく作家も、その手の質問を死ぬほどされるだろうから、自ずとその回答も紋切り型なものとなる可能性が高い。しかし、媒体や企画の趣旨によっては、聞き手は「基本情報」として、そういった質問をしなければならないこともある。

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