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ひとりでなんでもする仕事/宮川真紀(仕事文脈vol.2)


昨年までは、フリーランスの編集者として著者と一緒に本を作る仕事が多かった。書き手を見つけて、企画を相談して、出版社を探して、決まったら入稿、校正まで一緒につくりあげていく、というような仕事である。編集って何する仕事かと、よく、ほんとによく聞かれるのだけど、ざっくり言うとこんなところである。自分で本文は書かないけれど、その代わり本文以外のことは大体書く。写真も撮らないし、デザインはしないけど、それらの調整は全部する、そんな仕事。と、なんとなく考えていた。


ところが、自分で出版レーベルをはじめ、小さいけれどこの雑誌をはじめたら、編集もするし、それ以外のことも全部することになった。以前会社勤めからフリーランスになったとき、ああ会社員時代って会社の仕事だけやっていれば毎月給料が入ってくるって、なんてラクだったんだろう、と思ったけれど、今ではフリーの仕事もずいぶん甘いものだったと感じる。だって仕事の分量もあらかた予想できるし、自分がする範疇も限定されていたから。

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