(part2)続・堂々巡りの対話――「社会課題にのりきれない」背景にあるもの(仕事文脈vol.24)
part1から引き続き、part2(中編)をお送りします。
対等な人間として見ていない
宮川 今回、何かテーマがあったら話しやすいかも、ということでちょうどジェンダーが描かれている映画『バービー』『哀れなるものたち』があったのでこれで話してみようとなったんですよね。それで映画好きの井上さんと葉山さんに来てもらいました。
葉山 『バービー』はすごくジェンダーの話、女性と男性の役割の話を構造的に描いている話だなと思って。ケンが現実世界に行ってバービー世界に戻ってきて男社会を作ったけど、特権的な立場の男性は、女性にああやって作り上げてきた世界をぐちゃぐちゃにされているような気分なんじゃないかなって私は見て思ったんですよね。本来は男だけで作った社会なのに、女が入ってきてめちゃくちゃにされてるみたいな感覚を持ってるのかもしれないなと思って、そういうものを反転させて描いている映画なのかなって。だから最後にバービーのひとりが「これからは男性も活躍しなきゃね」って言うんですけど、男性が「裁判長にしてくれ」って言ったら「いきなりは無理だよ、徐々にね」って言われるんですよね。これ今現実で女性が男性に言われてることだと思った。それをすごく描いたんだろうなと思う。
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