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「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」韓国奮闘編~現代音頭の誕生~

皆さんこんにちは。現代音頭作曲家の山中カメラです。
ここまで前置きが長かったですが、ようやく盆踊りを制作し始めましたね。いよいよ「現代音頭」の登場です!

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シリーズ「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」韓国奮闘編 ~現代音頭の誕生~

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取手アートプロジェクトでたまたま作ることになった盆踊りは、私のライフワークの原点となった。

今まで、自分の内側を掘り下げながら個人的な作品を制作していたのだが、外の世界、地域とコミュニケーションしながら作品を生み出す。ということがとても新鮮だった。

自分が作るというよりは、「作品が出来上がる場に立ち会う」というような、ある意味シュルレアリスムに似た不思議な体験だった。

そしてなにより美術の外にいる人達にも喜んでもらえた。ということで、作品を通して初めて自分が「社会」と繋がることが出来たような気がした。

取手ではある意味面白半分に作ったので、次回はもっと真剣に、その地域と人と向き合って盆踊り全体を作りたいと思いながらも、特殊写真家としての活動は続いていた。

2008年、音頭第2作目を作る機会に恵まれた。

取手アートプロジェクト(以後TAPと表記)が、韓国のソクスアートプロジェクトというところと国際交流事業を行うというもので、日本から3人が韓国へ、韓国から3人が日本へ派遣されて作品を制作するというものだった。

そこで当時TAPの事務局長であった東京藝大の渡辺好明先生が私を推薦してくれ、私にとって初めての海外、韓国で盆踊りを作ることになった!(藝大生でもなく、美大卒でもない私に素晴らしい発表の場を与えてくれた故渡辺好明先生には本当に感謝しています)

(※2008年、韓国は竹島問題で反日感情が高まっていた時期。盆踊りをやる。と表明した時点で「占領時代の忌まわしい日本文化である盆踊りなどは絶対にやらせない」と反対、反発があった。

ここでどうやってこの危機を平和的に切り抜けたか?!今後にも繋がる「盆踊りを行う上で大切なこと」を如何に学んだか?!

など韓国の珍道中、大奮闘、感動のエピソードの数々は拙著「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」に多数の写真、資料と共に詳しく記載されております!本作品集もどうぞお手に取っていただけますと幸いです)

では韓国ソクスで制作した「ソクススウォレ音頭」をご覧いただこう。


山中カメラが韓国ソクスアートプロジェクトにて作詞、作曲、振付し、ソウル国楽教育研究所とコラボレーションした韓国版盆踊り。冒頭はアリランの旋律を4拍子にして引用している。

※今回の作品集には2019年リマスター音源を収録しております。

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現地での盆踊りプレゼンテーションの様子。

後ろのホワイトボードに現在まで続く大切なことが(詳しくは書籍で)。

通訳を務めていただいた作家のカン・ウヨンさんにも大変お世話になりました(写真中央)。

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「その土地特有のもので提灯を作る」という最初の試みになった。

会場であるソクス市場でよく売られている「豚の貯金箱」をくり抜いて108個(煩悩の数。ボンダンスの「ボン」にかかっている)制作した。

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ボンダンスが終わった次の日から、ギャラリーで展示を行った。

日本と韓国の文化が輪(和)になり、さらにミックスされたことを表している。

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コラボレーションしていただいた、ソウル国楽教育研究所の皆さん。

2008年の夏。韓国での1ヶ月は毎日エキサイティングで楽しかった。今でも夏が来ると思い出すとても良い経験でした。

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興奮冷めやらぬまま帰国し、再会した当時TAPスタッフの大内さんにこう言われた。

「現代音頭いいですね!」

その時から私の肩書は「現代音頭作曲家」になった。

次回、「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」団地純情編~私小説音頭の誕生~に続く。

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私の作品集が近日発売になります。よろしくお願いいたします。

2/27発売!豪華付録付CDブック仕様!
「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」(タバブックス)



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