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「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」国東悠久編~コンセプチュアル音頭の誕生

「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」国東悠久編~コンセプチュアル音頭の誕生
皆さんこんにちは。
現代音頭作曲家の山中カメラです。

この連載もあと2回となりました。
最後までお楽しみいただけますと幸いです。

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シリーズ「「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」」
国東悠久編 ~コンセプチュアル音頭の誕生

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2011年になって別府市から、同じ大分県の国東市に引っ越しをした。
自宅の近くに、廃校になった小学校を社屋として運営しているアキ工作社(現:国東時間株式会社)という、ダンボールでマネキンやミニュチュアモデルを製造している会社(アメリカのGoogle本社にもここのプロダクトが展示されているほどのグローバル企業)があり、そこの社長の松岡勇樹さんと知り合いになった。

「会社(旧小学校)の音楽室が空いているからカメラさんのスタジオとして使っていいよ、そしてよければ一緒に国東の盆踊りを作りませんか?」とありがたい申し出を受けた。
周りは豊かな自然に囲まれており、いくら大音量をだしても苦情一つ来ない、24時間利用可能で広大なスタジオが手に入った私は歓喜し、ここから数々の音楽が生まれていくことになった。

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そして、長い時間をかけ、松岡さんと共に国東をリサーチし、盆踊りの構想を練っていった。
国東半島は古くから八幡神社の総本山、宇佐神宮のお膝元であり、修験道から天台宗の仏教文化が未だに色濃く残る日本でもとても珍しい土地である。「ケベス祭り」や「修正鬼会」という「火」や「鬼」を扱う奇祭が今も脈々と受け継がれている。
このような国東特有のキーワードに加え、小学校のすぐ近くに生家がある、江戸時代の哲学者/天文学者である「三浦梅園」の「一即一一、一一即一」という哲学思想を中心に据えた盆踊りのコンセプトが完成した。

※さあ、この膨大なキーワードからなるコンセプトはどのようにボンダンスに組み込まれていったのか、その意味とは?
音頭が出来上がって行く過程、制作秘話、解説などは、拙著「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」に詳しく写真、資料多数で掲載予定です。
また国東時間株式会社のホームページに詳しい解説があります。
ご興味のある方はどうぞ御覧ください。
国東時間株式会社

演奏は、地元のアマチュア吹奏楽団、「むさしウインドハーモニー」の皆様、おばあちゃん達の大正琴のグループ、三味線のグループ、そして、国東特産の「七島藺」の工芸士の皆さんにも、衣装と演奏(草を割く器具を楽器にして)で参加いただいた。

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柔軟な演奏に対応していただく核になるメンバーに
Key:ジャズピアニストの都留敬比公さん
Vocal:ボーカリストの伊賀由希子さん
Bass: 別府より上田珠真子さん
Guitar: from NINJAMAN 上野真之介さん
Drum:from NINJAMAN 安倍亮さん
の皆様にご参加いただき、
30名超の巨大オーケストラが結成された。

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そして、私が甲府の縁故節で得た「歌詞を全員で作る」という試みをこの国東のボンダンスにも投入した。
新聞広告を出し、国東中から縁故節と同じ7.7.7.5(都々逸)音節の歌詞を108編募集し、それをオーケストラが編成を変えながら、2時間半かけてノンストップで演奏し、参加者が踊った。

それでは、国東のすべてが詰まった「国東時の音頭」を聞いていただこう。


※今回出版されるCDブック作品集はこの2014年の録音を元にした、2018リマスター版を収録しております。

この「国東時の音頭」は、2014年、もう冬の足音が聞こえる10月に世界初演された。

会場準備、会場設営、炊き出し、駐車場係、広報などなど沢山の事柄に、地元の住民の皆様、企業様にボランティアでご参加いただきました。誠にありがとうございました。

次回は最終回!「「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」」福岡未来編~美術館音頭の誕生に続く!

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私の作品集が好評発売中です。よろしくお願いいたします。

2/27発売!豪華付録付CDブック仕様!
「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」(タバブックス)


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