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【寄稿】地方のマイノリティと連帯するラジオ/とんこつたろう - 「保守的な空気を変えていく 各地で起こる抵抗の実践」(仕事文脈vol.23)

保守的な空気を変えていく 各地で起こる抵抗の実践
ジェンダーギャップ指数ランキングが過去最低となり、伝統的な家族観はかたくなに維持され、弱い立場に置かれている人を「自己責任」の言葉で追い込んでいく。保守的な価値観が習慣となって社会を覆う中、自分の周りから変えていこうとする人たちがいる。性教育、セーファースペース、社会的マイノリティの権利と可視化、困窮者支援のシェルター、市民と行政をつなぐ……不可視化されている人の側に立ち、自分の街を、誰もが生きやすい場所にするために問題提起をする、6組6通りの実践。

②地方のマイノリティと連帯するラジオ/とんこつたろう

MRT宮崎放送でラジオのパーソナリティの仕事をするようになったのは今から3年前。長く住んだ東京から最初に移住した先が宮崎県でしたが、この依頼を引き受けたのはそこからさらに沖縄へ引っ越して、コロナ禍が始まった頃でした。

番組タイトルは『映画とか音楽とかについて割とガチで考えてみた』。「テレワーク」というキーワードが世間に浸透した時期に、いち早くリモート形式での収録に挑んだ実験的番組です。当時はそんなレギュラー放送を聞いたことがなく、しかも僕は公共の電波でお喋りなんてほぼしたことのない素人なので、今だから言えるけど「博打もいいところだろ!」と(笑)。楽しみもあったけど不安が圧倒的に大きくて、当初は毎度緊張していました。

番組は主に「映画」を通して“時事問題に向き合う”という内容なので、“何をどう伝えるか”を毎週考えるのが想像以上に大変でした。

社会学的なテーマを発信する以上、自分の主張も大事だけど誤情報を拡散しないよう細心の注意が必要です。学術書や論文、公正な統計データに目を通しながら、とても慎重に構成台本の原稿を書いていました。

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