見出し画像

40歳、韓国でオンマになりました/木下美絵 第2回 それでも「産む」という選択(仕事文脈vol.18)

 日本より一足先に真冬の寒さがやって来た、2020年11月某日。破水から15時間、私は韓国の病院で娘を出産した。なかなか降りてこず、馬乗りになった看護師さんをはじめ3人もの人に全力でお腹を押されるという壮絶な体験をしたが、それでも初産にしては安産だったらしい。あわや気絶寸前のところで生まれてきた娘も、はや生後100日。何という偶然か、ちょうど100日目は一年前に体外受精の胚移植を受けた日だった。あの時戻した3つの受精卵のうち、ひとつが無事に育ち、今やれっきとした赤ちゃんとなって隣ですやすや眠っている。何とも不思議な気分になると同時に、私たち夫婦の「産む」選択によって誕生したこの子と、これから一緒に生きていく事の重さをひしひしと感じている。

ここから先は

2,381字 / 3画像

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

お読みいただきありがとうございます。サポートいただけましたら、記事制作やライターさんへのお礼に使わせていただきます!