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ラクになる仕事 宮川真紀(仕事文脈 vol.6)

 このところ、昔の友人との再会が続いている。新卒で入った会社の同期会、高校1年のクラス会、中学の地元友だち、小学校高学年のときの親友、とか。そして小さい頃のことほどくっきりと思い出したりして、これが加齢ということか!と愕然としました。
 という話ではなく、その中のいちばん古い、小学校時代の友人のことです。彼女とは10年に1回くらい会っていて、それは大学をやめて入ったという劇団の公演を見に行ったら、芝居は始まらずにシュプレヒコールをさけんでいたとか、その後立ち上げから関わったという福祉施設に取材に行ったりとか、そんな遭遇である。彼女は優秀な両親と兄弟のなか育ち、意識が高く、社会派だった。私が取材に行ったのは、福祉を仕事に選んだ経緯を聞くためだったのだけど(同じようなことしてるなー、20年くらい前から)、そのとき彼女はこう言った。
「ここにいると、ラクだから」
 真面目で、志の高い彼女からラクということばが出てくるのは予想外で、その意味もわからなかった。上から目線ではないか、そんなこともちょっと思った。

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