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座談会「30代独身男性の生活と意見」 前編/辻本力 (仕事文脈vol.7)

 本座談会は、私の作っている「生活」をテーマにした雑誌『生活考察』に掲載した「三十代の生活と意見―酒中放談―」(Vol.04収録)という記事に端を発する。これはメディア研究者・大澤聡氏と『間取りの手帖』などの著作で知られるライター・佐藤和歌子氏による「30代」をテーマにした対談であった。
 なぜ「30代」が気になるのか? 思うに30代は、未成年が成人に達する歳に自覚したり、あるいは外から求められる大人像とはまた違った形で「大人になること」を問われる年齢帯だからではないだろうか。まだ学生気分でいることが(ギリギリ)できた20代とは違い、「ちゃんとすること」が目下早急に完了すべきミッションのごとく、ことあるごとに突きつけられる。具体的には、未婚であれば見合い話がやってきたり、働かずにふらふらしていれば「いい加減にしなさい」ということになる。また、周囲の同年代の現状と自分のそれを比べて、「自分はこんな生き方をしていていいのだろうか?」などと自問したり、焦りを覚える機会も増える。
 しかし、日々生き方は多様化し「大学卒業→就職→結婚→出産→マイホーム」といった、従来当然のものとされてきた人生設計も、もはや絶対ではない。となれば、節目として存在してきた「30代」という年齢帯の在り方も変容しつつあるはずだ。
 本稿を、そんな変わりつつある30代の1つ在り方としてご覧いただければ幸いである。

●膵炎、ヨガ、腹の肉……30代の健康問題

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