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10年10人のShit #1「群れること」なんてムダだ。怖がらずに「ひとり」になろう。/コメカ(ライター・書店店主)(仕事文脈vol.18)

東日本大震災から10年が経ち、終わりの見通せないコロナ禍にある2021年。「復興の象徴」とうたわれた東京五輪もトラブル続きで、もはや誰のために開催するのかわからない。この間にも広がっていく、分断や格差、政治不信。そして「Shit」な思いが積み上がっていく。
この特集では、この10年に感じたShitについて、10人の人たちに書いてもらった。その人が直面している困難や葛藤を伝えるもの、不満や怒りを口にしていいと気づかせてくれるもの。さまざまな立場から綴られた文章は、私たち自身のShitを呼び起こしてくれるはずだ。


#1「群れること」なんてムダだ。怖がらずに「ひとり」になろう。/コメカ(ライター・書店店主)


 この10年はぼくにとって、良くも悪くも不安が折り重なり続ける時期としてあった。東日本大震災に始まり、安倍政権による安保法案の強行採決、海の向こうでのドナルド・トランプのアメリカ大統領就任、そして新型コロナウイルスの感染拡大。これまで信じられてきた何がしかの安定性に揺さぶりがかけられ続け、妄想的な陰謀論に走る人の数もどんどん増えていった。20世紀が終わったこと、戦後民主主義的な日本が終わってしまったことを、改めて思い知らされ続けた10年だったように思う。

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