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インタビュー 「座談会・30代独身男性の生活と意見」、その後 取材・文:辻本力(仕事文脈vol.17)

 2015年、本誌vol.7誌上で「30代独身男性の生活と意見」という座談会を企画した。当時30代半ばだった私は、「30代」というテーマが妙に気になっていた。その理由を、当記事より引用したい。

 なぜ「30代」が気になるのか? 思うに30代は、未成年が成人に達する歳に自覚したり、あるいは外から求められる大人像とはまた違った形で「大人になること」を問われる年齢帯だからではないだろうか。まだ学生気分でいることが(ギリギリ)できた20代とは違い、「ちゃんとすること」が目下早急に完了すべきミッションのごとく、ことあるごとに突きつけられる。具体的には、未婚であれば見合い話がやってきたり、働かずにふらふらしていれば「いい加減にしなさい」ということになる。また、周囲の同年代の現状と自分のそれを比べて、「自分はこんな生き方をしていていいのだろうか?」などと自問したり、焦りを覚える機会も増える。
 しかし、日々生き方は多様化し「大学卒業→就職→結婚→出産→マイホーム」といった、従来当然のものとされてきた人生設計も、もはや絶対ではない。となれば、節目として存在してきた「30代」という年齢帯の在り方も変容しつつあるはずだ。

 変わりつつある30代の1つサンプルとして、当時「独身・30代・出版関係」という属性の3人に話を聞いたのが、当座談会である。そして、あれから早5年が経過。3人は(ほぼ)俗に言うアラフォーとなった(筆者も同様である)。この年月を経て、彼らの生活は、人生はどのように変わったのか? あるいは変わらなかったのか? 「7年8ヶ月」という振り返り特集を機に、アフターフォロー的インタビューを行った。

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