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【特別公開!】『仕事文脈vol.22』企画会議・その1(前編)

次の仕事文脈は、5月発売のvol.22です。年末のアイデア出しののち、1月末に企画会議第1回を行いました。
論破系、冷笑系といわれるものにうんざりして、しかしやり過ごすわけにはいかない、とテーマとして考えてみました。前半をお届けします!

参加者:編集チーフ・小沼さん、編集スタッフ・浪花さん、発行人・宮川

Z世代なりの冷笑系との闘い方ってあるのかな

浪花:ツイッターに「あなたの感想ですよね?」と言う子どもが都心に多いみたいなことを書いてる人がいて。
小沼:都心が関係してるんですかね? いるっていうけど。
浪花:都心がどうかはわからないんですが、本とか出てるから、小学生くらいに結構届いてるのかも。
宮川:すぐ飛びつくもんね、小学生はおもしろいやつに。
小沼:あとユーチューブ観てても入ってくるのかなと思います。
浪花:ユーチューブなんですよね、たぶん。私たちのときにも、もう2ちゃんがあったし。私たちの身近にもひろゆき的なものはあったんですけど、いまはそこよりもひろゆきから直に。
宮川:それがもう子どもの遊びじゃなくて、社会的に価値があるみたいになっちゃってるのがたちが悪いっていうか。論破から行きますか。寄稿候補で小沼さんが挙げてくれたのが竹田ダニエルさん。
小沼:アメリカのZ世代のことを主に書いてて、最近『世界と私のA to Z』という単著を出されたんですけど。
宮川:Z世代ってどこだっけ?
小沼:90年代後半以降の生まれですかね。最初に持った携帯がスマホとか?
宮川:デジタルネイティブってやつですかね。
小沼:そうですね。10代の、中学生、高校生くらいのときにSNSがどんどん発展していった。自分もミクシィとかあったんですけど、もっとツイッターとか情報量がかなり膨大だったり、知らない人とつながれたりっていう世代だと思う。竹田さんの本の中で、アメリカのZ世代の人たちって結構アクティヴィズムにも敏感っていうようなことを書いているんですよね。そのZ世代なりの冷笑系との闘い方ってなんかあるのかなっていう。
宮川:同じ世代でも両方いるっていうことなのかな。日本は冷笑系ばっかり目につくけど、海外では左派みたいなのを押し上げてるのもその世代だったりするわけですよね。
小沼: アメリカはZ世代の人数が、人口の比率でいうと多いから存在感をちゃんと持てるらしいですよ。
浪花:実際Z世代って呼ばれる人たちって、いま大学生とかだと思うんですけど、すごい社会的意識が高いですよね。母校の大学案内の執筆を手伝ってるんですが、みんな社会がどうなってるのかを気にして学科を選んでくる。たとえば地域活性化とか、SDGs視点で専攻を選んだりとか。10年ぐらい前の私の世代では薄かった視点なので、意識が高いなと。
宮川:そういう話は聞くんだけど、あんまり取り上げられないのかな?どっちかというと、そういういいことをするとすぐ叩かれるみたいな。
小沼:どうなんですかね。竹田さんの本を読む限りだと、環境問題でも、Z世代の人たちは若い分それだけ長く生きるので、「2050年には人間生きられないかも」みたいなことがより切実。あと社会問題の影響を受けるのが自分たちだっていう意識がすごくあって、かつアメリカだと、セクシュアリティだったりとか人種だったり身近なところで多様な人がいるから、そういう人たちへの差別にもかなり敏感になっているというようなことを書いていましたね。

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