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35歳からのハローワーク 太田明日香  第6回 番外編 キャリアカウンセラーに聞くジョブチェンジのヒント(仕事文脈vol.16)

 この連載では、これまで独立、副業、資格取得といった形でジョブチェンジした10人に話を聞いてきた。今回は番外編。お話を伺うのは、大阪の民間の就職支援施設A´(エーダッシュ)ワーク創造館でキャリアカウンセラーとして働く梅山晃佑さん。梅山さんは特別なスキルや職歴がない人、これから新たに手に職をつけたい人、未経験異業種を目指す人の相談を多く受けてきた。そこで今回は、これまで取り上げる機会の少なかった、未経験からの転職や一般企業へ応募するときのヒントを伺った。


打率の高い転職活動は人に頼ることから
梅山晃佑さん(大阪市・キャリアカウンセラー)


——キャリアカウンセラーのお仕事はどんなものですか?
 求職者の収入や経験、家庭状況を考慮しながら、職業体験の紹介や履歴書や経歴書をアドバイスするなどして、現実的な就職までのプランを作ります。ただし、何事も決めて選ぶのは自分自身なので、キャリアカウンセラーは求職者がどうなりたいか「一緒に考える」手助けをするような存在ですね。

——35歳からの就職の難しい点はどんなところですか。
 やり直しが難しいところではないでしょうか。向き不向きや適性を判断するのに2〜3年かかるなら、その業界や仕事でやっていこうと決めた頃に30代後半〜40代になってしまいます。新しい仕事に挑戦するか判断するにはギリギリのタイミングだと思います。

——やりたいことがない人や分からない人にはどうアドバイスしていますか。
 適職診断などのツールを使って、まずは何ができそうか、興味のある仕事を見つけてもらいます。そのときに、重視するのは1、好き/嫌い 2、得意/不得意 3、価値観という三つの視点です。
 一般的に好きなことや得意なことを仕事にと言われますが、3の価値観という視点が重要です。好きで無理せずできても、価値観の合わない仕事はしんどい。例えば、植物が好きで育てるのも上手で無農薬の農業をやりたいのに農薬を使っている農場で働くと辛くなってきます。
 しかし、自分と企業の価値観を照らし合わせる機会はありませんし、実際のハローワークの求人票でも価値観が判断できる要素は少ないです。食べるために働くなら、価値観は考慮しなくてもかまいませんが、今はそうでない人が増えているのではないでしょうか。
 適職診断は、自分がどんな価値観を重視しているかはっきりするので、そこから職種や会社が絞り込みやすくなります。全部ぴったり合う仕事がなくてもどこかの部分を妥協しながら、折り合いをつけてどの仕事がいいか絞っていきます。

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