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虹色眼鏡 第3回/チサ (仕事文脈vol.11)

深夜に文章を書くことが多いのだけれど、しっぽりと夜に収まってしまってどうしようもない夜はアクアショップに住みたくなる。熱帯魚を蛍光灯の青白い光でずっと見ていたいの。連載始まって以来私の読者って果たしているんだろうか、と物陰から猫を見るような気持ちでキーボードを打っている私ことチサです。ご無沙汰しています。「ちさ」って「ち」の右隣に鏡を立てた実質一文字の名前みたいで味気なさすぎる気がして、最近チーズバーガー’99というハンドルネームを思いついた。ブログのアイコンはビッグカフナバーガーのチーズバーガーにしていて、ここだけの話困ったことに、私はそのふざけた名前を名字を含めた本名よりも気に入っている。

一年の大半は家にこもって何かをしている私だけれど、たまにトウキョウを訪れる。片道5時間近くかけて、電車に揺られて、人の顔をこっそりと伺って、ひっそりと戸口近くの席に身を縮めてコンクリートのジャングルを目指す。緑に囲まれた小さな山奥の家から途中をすっ飛ばして大都会にワープする。それもわけわからないくらい時間をかけてね。こう言うことを言うと、必死に東京にすがる人みたいで私はあまりこの事実を人に言わない。「ガチ感」が何だか田舎者っぽく感じてしまってどうしても私は隠したがるのだ。

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