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【特別公開!】『仕事文脈vol.23』企画会議・その1(前編)

次の仕事文脈は、11月発売のvol.23です。アイデア出しののち、7月末に企画会議第1回を行いました。
聞こえてくるニュースから、アップデートされない日本を実感する日々。常識、慣習、伝統といったものに囚われてすぎているのでは、そもそもそれらはいつから根付いているのか、そんなテーマが上がってきた会議を前後編でお届けします!

参加者:編集チーフ・小沼さん、編集スタッフ・浪花さん、丹野さん、発行人・宮川

日本だけが遅れているー伝統、慣習ってなんなのか

宮川 日本のジェンダーギャップ指数がまたランクダウンして過去最低順位。これはスコア的には横ばいなんだけど、他の国が上がっているのに日本は変わっていないからなんですよね。そういう日本だけが遅れていることから、伝統、慣習ってなんなのか、というテーマをあげてみたわけですが。小沼さんいくつか企画あげてくれましたね。

小沼:伝統、慣習みたいなところと、異性愛主義や恋愛至上主義は重なると思うので、それをアロマンティックやアセクシュアルの観点から書いてもらったらいいかなと。もうひとつ、「家父長制という「伝統」はなぜ変わらない?」は、こういう直球のジェンダーの話を、誰かフェミニストの方などに書いてもらえるとよさそうと思いました。どういうテンション感で書いてもらうのがいいかわからないけど、一個入ってくるのがいいと思っていて。研究者の人なのか、それとも若い感じの人にエッセイっぽく書いてもらうのでもいいのか。どっちがいいのかっていうのはまだわかんないですけど、何かしら入ってきてほしいなってっていう感じですね。

宮川:「家父長制」っていう言葉自体が、そんなに昔から使われてはいない気がするんですよね、フェミニズムの文脈でも。浪花さん、なじみあります?

浪花:日本では、わりと最近っちゃ最近かも。

宮川:最近だよね。それを思ったのが、『私たちにはことばが必要だ』の著者イ・ミンギョンさんが来日して、伝統的なフェミニズム系の媒体で取材してもらったとき、ミンギョンさんは家父長制っていう言葉を本の中でもすごく使ってるんだけど、媒体の人が「家父長制ってあんまり聞いたことないっていうか、使わないですよね」って言っていて。たしかにそんなに使ってなかったかも?昔のフェミニズム第二波、第三波くらいってそんなに出てこなかった気がする。家父長制っていう言葉自体の使われ方が、あんまりそこまでピンときてなかったんじゃないかな。「そんな古臭いものが今現代にあるんですか?」みたいな。

うちの家の現象に名前があったのか」って発見して

小沼:言葉自体は、ざっと調べた感じだと昔からあるっぽいんですけど、たしか#MeTooの流れでフェミニズムが盛り上がって、この2、3年で圧倒的に聞く機会が増えたような気がしますね。

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