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なぜこの営業時間? Part1

 コンビニは 24 時間営業があたりまえ、だった。けれどそれは24時間そこで働く人がいるということ。時間に人が合わせることで生まれる便利は、本当に必要なのか、 ということをようやく考える私たち。長く休んだり、少ししか開いてなかったり、普通じゃない時間にやってたりするお店の営業時間は、そこで商う人の意思であり、表現だった 。( 取材・ 文 : 丹野未雪 + 編集部 )

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夏休み3週間のカフェ
RR-coffee tea beer books-(世田谷区・代田)

●長く続けるために必要な休み 

 事務所のご近所のカフェ、RR-coffee tea beer books-。店主の西村彩さん、すぐ近くのライブハウスFEVERを運営する仁志さんはご夫婦で、ともに仲良くさせてもらっているのだけれど、ある日夏休みの話になって「今年は7月29日から8月21日」と...え、3週間?下北沢のカフェが?と驚きつつまさしく時間問題がありそうなので話を聞いた。

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 「夏休みは毎年2、3週間取っていますね。今年の11月に6周年なんですが、2年目ぐらいからそのぐらい休むようにしています。毎日お店にいると無意識にインプットに渇望するし、どこかに行こうと思っても1週間じゃ慌ただしいし。今年の夏休み明けから平日も、これまで週休1日だったのを2日に変更しました。営業時間は11時から20時までです」

 どんどん休みが増えているようだ。飲食店の競争も激しい下北沢・代田エリアで、休みを長く取ることって勇気がいりそうだが...

 「前に働いていた代々木上原のカフェベーカリーは8月の1か月店を閉めてご家族でフランスへ旅行していたんです。イギリスで結婚して住んでいるいとこも毎年バカンスを取って必ず日本に来て、3週間きっちり遊んで帰る。最初は長く休むことに罪悪感があったけど、自営業だし前もってお金の計算もできるし、休んでもいいかなと。一般の方が週休2日ということを考えると、年間通すとそれほど変わらないし」

 身近に実例があったから長期休みへのハードルが低かったということだろうか。でもよく聞いてみると、仕事の掛け持ちでハードに働いていた時期もあったとか。
「最初は北海道の菓子メーカーの東京支社にいて、その後カフェカンパニーで働いていました。カフェが好きだったけど、現場には立ったことがないので、パン屋のバイトを始めました。会社員をしながら転職の合間を縫って土日だけパン屋さんでバイトをしていたんです。週7日ずっと同じところにいると精神的につらくなってくるけど、2日だけ別の所だと健全というか、切り替えができていましたね。わたしが会社員で土日祝休みで、夏休みも有給でとれていたのでできたのかもしれませんね」

 会社は休みがきっちりとれる、その休みで別のことを。休みをとる習慣、気分を変えられる時間があったことが、自由な仕事時間にもつながったのかもしれない。実際カフェを数週間閉めることのデメリットはないのだろうか。

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