見出し画像

10年10人のShit #6 保育園、毎日葛藤中/decosachico(保育士)(仕事文脈vol.18)

東日本大震災から10年が経ち、終わりの見通せないコロナ禍にある2021年。「復興の象徴」とうたわれた東京五輪もトラブル続きで、もはや誰のために開催するのかわからない。この間にも広がっていく、分断や格差、政治不信。そして「Shit」な思いが積み上がっていく。
この特集では、この10年に感じたShitについて、10人の人たちに書いてもらった。その人が直面している困難や葛藤を伝えるもの、不満や怒りを口にしていいと気づかせてくれるもの。さまざまな立場から綴られた文章は、私たち自身のShitを呼び起こしてくれるはずだ。

#6 保育園、毎日葛藤中/decosachico(保育士)

 
 2020年2月末、「トイレットペーパー買っといた方がいいよ。」そう言って職場の同僚が退勤して行った。「トイレットペーパーかぁ」と思いながら、それよりもっと備えるものがあるんじゃないか、考えることがあるんじゃないかと職場を後にしたのを今でもなぜか鮮明に覚えている。

 小学校が休校になった。学童も休みになった。理由は、何よりも子どもたちの健康、安全を第一に考え、多くの子どもたちや教員が日常的に長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える観点、エトセトラ。
 それなのに保育園は原則開所? 「子どもたち」に保育園児は該当しないの? 保育園がしまったら経済が回らないからでしょうか? 保育園で働く職員は感染リスクの高い現場にいてもいいのでしょうか? なんだこの違いは。
 緊急事態宣言が出た。隣の渋谷区は保育園は原則休園措置。世田谷区は登園自粛のお願いをして縮小保育をすること。大田区は、エトセトラ。対応違うのなんでやねん。

ここから先は

1,204字 / 1画像

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

お読みいただきありがとうございます。サポートいただけましたら、記事制作やライターさんへのお礼に使わせていただきます!