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その仕事は「無駄」と語れるために/栗田隆子(仕事文脈vol.18)

 今回は「shitなムダ」と言うテーマの特集だそうだ。このテーマは2020年逝去したデイヴィッド・グレイバーの『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 』にインスパイアされた特集だろう。「ブルシットジョブ」とグレイバーに名付けられた仕事、…高級取りなのに仕事内容は「クソどうでもよく」、労働従事者もそれを把握しているゆえにストレスフルである…といった職種に就いたことはないせいか、実感としてはピンとこない。このグレイバーの書籍の中でその手の仕事の代表例としては企業顧問弁護士、銀行の何とかコンサルタントとかエグゼクティブといった類の仕事と説明される。それと対比してグレイバーが「クソな仕事」として「シットジョブ」と名付けた仕事…人が生きていくのに必要とされる仕事であるにもかかわらず、低賃金・不安定な待遇のキツい仕事…については身にしみた。特に私自身が不器用で、スピードかつ器用さが要求されるこれらの仕事の難しさをより感じるせいか不安定かつ低賃金の待遇が本当に納得できないのだ。さらにこの「ブルシットジョブ」と「シットジョブ」、おそらく前者には「男性」が後者には「女性」が就いているケースが多いのではと感じるだがいかがだろうか。

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