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「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」神山望郷編~地域参加型音頭の誕生~

皆さんこんにちは。
現代音頭作曲家の山中カメラです。

連日ご覧いただきまして、ありがとうございます!
いよいよ現代音頭も5曲目となりました。
場所は徳島、神山町。どっぷり地域に浸かって制作いたしました。

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シリーズ「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」
神山望郷編 ~地域参加型音頭の誕生~

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東京で10年暮らしたが、現代音頭制作で長期間家を空けることが多くなった。
どこか家賃の安い新たな拠点を探していた時に、ちょうど別府最適音頭があり、東京に帰って1ヶ月後にはもう別府に引っ越していた。

そんな時に、武蔵野美術大学の加藤笑子さんという先生から電話がかかって来た。
「徳島県の神山町というところでもう10年(その当時)も続いているアーティストインレジデンスがあり、2009年度は瀬戸内芸術祭との絡みで、瀬戸内出身(私は山口県出身)のアーティスト枠があるので、山中カメラを推薦したい」という内容だった。
その時は神山町もアーティストインレジデンスもなんにも知らない土地だったが、今となっては神山町は私の第二の故郷のような位置づけになっている。
(素晴らしい機会を与えていただいた加藤笑子先生には大変感謝しております)

そんなこんなで9月から2ヶ月間、神山町で新しい音頭を作ることになった。
滞在が始まって間もなく、町をあげての歓迎パーティーを開いていただいたのだが、地元のラテンバンドが演奏を始めた途端、驚くべき事態が起こった!
徳島名物「阿波おどり」が自然発生したのだ!


その時の模様。

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そしてみんなが光の速さでパイプ椅子を片付けてしまって、ごく自然に会場全体で踊りが沸き起こったのだ!
この光景を見てあっけにとられた私はこう思った。
「こんな素晴らしい踊りの文化がある土地で、いくら作品とはいえ、町の人を巻き込んで新しい盆踊りを作る意味があるのだろうか?」と。

※さあ、この後私は如何にして心配するのをやめ、現代音頭作りに打ち込むことが出来たのか?そのきっかけとは?
町の人々の温かさ、協力が音頭作品に影響を与えて、様々な人々が音頭作りに関わってゆく様子は、拙著「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」に詳しく写真、資料多数で掲載されております!



もうとにかく、神山町のありとあらゆる音を使って音頭を作ろうと決めた。
廃校になった音楽室をアトリエとして使わせてもらっていたのだが、音楽準備室にあった楽器はすべて使用した。



同時期に制作をしていたアーティストにも協力していただく。エレキギターは近所の小学校の校長先生が貸してくれた。



アメリカの作家キャメロンさんにも無理を言ってピアノを弾いてもらった。



小学校の金管アンサンブルの皆さんにもご協力いただいた。



町の方々にわざわざ集まっていただき、阿波おどりの掛け声「ヤットサー」の録音。

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その他にも、三味線サークルの皆さん。

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アフリカ太鼓の宮城さんご一家。

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これは、町長さんが飼っている犬の鳴き声を録音しているところ。その他にも川の流れる音、風の音などありとあらゆる音を録音し、音頭に落とし込んでいる。
「私」ではなく、神山町に存在する「音」が音頭を作っていった。

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真言宗の「万燈会」にヒントを得て、神山名産のスダチのコンテナを照明にすることを思いついた。
町の人が朝から総出でコンテナ集めから電気配線、会場設営など協力していただいた。
もうこれは私の作品というよりかは、「地域と一緒に創り上げる」というとても素晴らしい経験をさせていただきました。この時の経験、感動が今に生きています。

それでは、神山町のすべてが詰まった「神山スダチ音頭」を聴いていただこう。



※今回の作品集にはこの2009年の録音を元にしたスタンダードバージョン(この動画はロングバージョン)、2018年追加録音/リマスター版を収録しております。

改めて、神山町の皆様には大変お世話になりました。感謝申し上げます。

次回、「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」びわ湖旅情編~ワークショップで作る音頭の誕生~に続く!

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私の作品集が好評発売中です。よろしくお願いいたします。

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「山中カメラ現代音頭集 Shall we BON-DANCE?」(タバブックス)


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