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30歳ではじめて失恋したはなし さいごに

記録をつけておくのは大事だなと思った。
このシリーズの1の頃はある程度(60%)立ち直って来た時期に書いたんだけど今(85%)とはまた感覚がちがう。

人間ってのは都合のいいもので、割と簡単に過去の記憶を作り替えてしまう事がある。 
めちゃくちゃブラックな職場にいて当時は早く辞めたいと思っていた場所も後から「やりがいあって良かったなあ」なんて美化したり、あんなにいい場所だと思ったお店も「いやいやアレは無かった、酷いお店だ」となったりする。
大抵の物事には必ず良い面、悪い面がある。
それをその時の気持ちで取捨選択して、良い方だけをみて褒めたり、悪い方だけをみて貶したりしてしまうんだろう。

その時の気持ちで自分の過去を書き換える。
一種の自己防衛みたいなものなんだろう、悪かった事は良かった事に、良かったことは悪かった事に、自分にとって都合よく過去を変えていく。
それが悪い事か良い事は分からないけど、いつまでもありのままを受け入れていける人が強い人なんだろうなと思う。
良い事も、悪い事も、両方をみつめて物事を判断できる人。
そしてそうありたいなと思う。

「めちゃめちゃ好き」「好きな人と交際出来て幸せ」「デート詰まらん」「一緒にいても楽しくない」「何を求めているのか分からない」「もう無理だ別れよう」「めちゃめちゃ後悔している」「別れるべくして別れたな」
全部本当に思った事で、その感情の変遷を否定しないでおきたい。


別れた事に関しては今は安定していて「ああ、なぜ・・・」と思い返すこともどんどん減ってきている。
たぶん数年もすれば「あー、あの時別れたなぁ、でも案外ショック少なくてすぐ立ち直ったよな」とか振り返ってしまうのだろう。
でもそうじゃない、復縁したいとメッセージを送り、Twitterには延々と後悔を垂れ流し、食事は喉を通らんし、職場の隅でうずくまっていたのが本当だ。
「人生で一番のショックを受けて1ヶ月は使い物にならなくなっていだぞお前」と未来の自分に釘を刺しておく。

別れてしまったけど
「本当は悪い女だった」とか「俺を理解しなかったクソ女」とかとかならないで本当に良かったなと思う。
そんな風に歪まなくて。
「あれは悪いものに決まっている」
と酸っぱい葡萄にならなくて。

別れた後に思った事の大半が
なんでだろう?どうしてだろう?何が悪かったのだろう?なんでうまくいかなかったのだろう?
といった「なぜ?」で良かった。

今回こうやってうまくいかなかった事に対して、ちゃんと振り返ろう、考えようという気持ちになれてよかった。

死ぬほどつらい気持ちになったけど、それでよかった。
それを乗り越えつつある自分を感じる。
人生で初めて好きと思った人と付き合えて、上手くいかなくて、ものすごく後悔をして、今それを克服しつつある自分を感じる。
月並みな言葉だけど成長できたと感じる、今後も伸びて行ける。


正直な事をいうと今でもチャンスがあるのならやり直してみたいなという気持ちはゼロじゃない。
別れてからいろんな問題点を発見することが出来て、「今ならあれはこうやって、あの時よりもいい結果がだせる」と。
けれど人生はゲームとちがってリセットボタンもコンティニューもない。
いまやり直したいと思うのは「あのときこうすれば日本軍は勝っていた!!」とそう大差ない。
ああ本当に全く残念だったなと思う、本当に好き「だった」のに。

今は「さぁ次だ」という気持ちが出てきているのを感じる。
俺は次に行ける。


いつか、笑って振り返ることが出来たらいいなと思う。

会えてよかった。

さようなら。

あなたに幸あれ。



追記
昨日これを書いて整理されたせいか分からないけど、ほぼ完全に過去の出来事になった感がある。
不思議なもんだ、あんなにつらいと思ったのにね。

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