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83%を失っても恋も仕事も充実しました!

教授:ここの機能がここに作用し〜

○:(講義長ぇ〜

○:美月...この後どっか行かない?(ボソッ)

美月:いいよ(ボソッ)

○:よし、デートだ (ボソッ)

美:フフ🤭

教授:誰だ!私語を慎め!

○:(あ〜あ...

美:(あれ? ボードがみえづらい...

美:(疲れかな?


講義終了


○:美月行こう!

美:うん

○:どこ行く?

美:○○が誘ったんじゃん

美:なんにも予定決めてなかったの?

○:うん...

美:じゃあカフェいかない?

○:お〜カフェ!

美:いいお店見つけたんだよ

○:行こう!



カラン🔔

店員:いらっしゃいませ  2名様ですね

美:はい

店員:こちらの席へどうぞ

○:はい

○:雰囲気めっちゃいいね

美:でしょ?




美:何にしよっかな〜

○:僕プリンにしよ

美:本当にプリン好きだよね(笑)

○:プリン美味いじゃん

美:そうだけどさ...(笑)

○:美月は何にするの?

美:じゃあ私はパンケーキかな

○:パンケーキ美味しいよね

美:○○がスイーツ男子でよかった

店員:おまたせしました

○:美味しそ〜

美:食べよたべよ

○:うん

○美:いただきます

パクッ

美:うんま

○:カラメルうま

○:ここめっちゃいいね

美:でしょでしょ

それから食べ進めていき....

○:そういえば1ヶ月後期末じゃん

美:あ〜嫌だいやだ

○:勉強進んでる?

美:ぼちぼちだね

○:僕もぼちぼち

美:○○には負けないけどね

○:っていいながら今までの勝敗は?

美:0勝4敗...

○:次も勝てないでしょ(笑)

美:こら!私舐めてると痛い目見るよ

○:ってこの前言ってた

美:うっ....

○:今回も勝たせていただきます!

美:視力落ちるくらい勉強してやる

○:頑張れー(棒)

美:応援する気ないじゃん!




迎えたテスト当日

美:ここがここに作用してココ二対応スルカラ
   ココガココデ....

○:ロボットみたいになってる(笑)



それから時間は過ぎテスト終了


○:美月どうだった....

○:って、、、え?

そこには顔面蒼白とした美月がいた

○:どうかした?

美:や、やばい....

○:うん?

美:全然出来なかった

○:あんなロボットみたいになるまで勉強したのに!?

美:目が見えにくくなって解くペースが
   遅くなってさ....

○:美月ってコンタクトだよね?

美:うん

○:コンタクトが合わなかったんだろうね

美:そうかもしれない......

○:にしても不運だったな

美:せっかくあんなに勉強したのに...

○:まさか本当に視力が落ちるとは...

美:一応眼科行ってみようかな

○:今から?

美:うん。

美:○○一緒に来れる?

○:ごめん。今からバイト入ってて...

美:そっか...

○:気をつけてね

美:うん





そこから眼科へ行き諸々の検査を受け....

医者:山下さん、結果が出ました

美:はい

医者:落ち着いて聞いてください

美:はい

美:(え!?わたし病気なの?

医者:山下さんは、網膜色素変性症です

美:網膜しき......?

医者:網膜色素変性症です

美:病気ですか?

医者:あまりいいにくいですが、、、はい

美:私が病気...

美:それはどんな病気なんですか?

医者:視力が段々と落ちていき、場合によっては
  低い確率ですが、失明する可能性もあります

美:そんな...(泣)

医者:視覚は人間の感覚の83%を支配していると言われています。

医者:ご家族の方ともよくお話されてください

美:はい...




ー1ヶ月後ー

○:美月ー

美:なに〜?

○:この後映画観に行かない?

美:映画か....(もう殆ど見えないんだよなぁ

美:(まぁ音が聞こえればいっか

美:うん!行こう

○:ありがとう

美月はあれから病気のことを言い出せずにいた




ー映画館ー

美:見たいのあるの?

○:1個あるんだよら

美:アニメ系?

○:いや、洋画だよ

○:これ!

美:え....吹き替えじゃないの?

○:本人の声の方が楽しいじゃん

美:でもほら...英語わかんないし.....

○:字幕あるから大丈夫でしょ?

美:そ、そっか

○:じゃあ入ろっか

美:(やばい!映画館の中暗すぎて歩けないじゃん

美:○○、腕組んで

○:え!めずらし

○:いいよ



美:なんか安心する

○:そんな大袈裟な(笑)


ー上映中ー

美:(英語わかんないし殆どシアター見えないし
     面白くない....

美:(私これからどうすればいいんだろ......



上映終了

○:あ〜面白かった!

美:そうだね

○:あのシーン良かったよね

美:どのシーン?

○:ほら、光がこうなって...

美:あ、あ〜あのシーンよかったよね!

美:(そんなシーンあったんだ...

○:ホントあのシーンよかった

美:うん

○:じゃあ帰りますか

美:そうだね




駅構内


美:(正直歩くのも怖い...

美:(また○○に腕借りよっかな...


そんなことを考えながら歩いていると、、、


○:美月危ない!!

美:え?

ギュッ

○:あぶねぇ〜

○:あとちょっとで線路に落ちるとこだったよ

美:え...?

○:まさか見えてなかったの?

美:い、いや...考え事してて

○:美月、これ何本?

そういって美月の前に手を出す

美:え..えっと...

○:美月...ほとんど目が見えないんだろ?

美:えっ!

○:その反応は当たりだね

美:あっ

○:はやく言ってよ...

美:いつからきづいてたの?

○:先週には気づいてたかな

○:だから今日試したの

○:吹き替えじゃない映画を見せて

美:なんだ...バレてたのか...

○:だって何もかもが不自然なんだもん

美:○○….別れたりしないよね

○:美月ってホントにバカだよね

美:....

○:僕は美月に何があっても美月が好き

○:だから別れる気なんて微塵もない

美:よかった(泣)

○:泣くなって

ギュッ

美:うぅ....

○:どうやって生活してたの?

○:美月一人暮らしだし

美:最近は料理出来なくなったからUberで
   適当に押したやつ頼んでる

○:なんか美月らしいね

美:そうかな?

○:もっと早く頼ってよ

美:なかなか勇気でなかったんだもん

○:それもそっか

○:ひとつだけ提案があるんだけど

美:なに?

○:一緒に暮らさない?

美:いいの?

○:美月が良ければ

美:でも迷惑かけない?

○:そんなの全然いいよ

美:じゃあ...お願いします

○:これでずっと一緒だね!

美:う、うん...

○:まだ迷惑かけるとか思ってる?

美:うん

○:僕は美月の目が見えるから好きなんじゃなくて美月が好きなの!

美:こんな私でも?

○:大好きだよ

美:なら一生ついてきてよね!

○:お、なんか吹っ切れたな(笑)

美:○○がいるなら怖くないもん

○:なら僕も頑張らなきゃだね

美:よろしくね


ー3日後ー

○:まさか美月の家に住むことになるとは...

美:引っ越し準備○○がやった方が
   早く済むでしょ

○:たしかにそうだね

○:それに美月「めんどくさい」とか言いそうだし

美:私どんなイメージなのよ!

○:めんどくさがったりとか、大雑把だったりとか

○:決めたら絶対諦めなかったり...

美:合ってる

○:あと!おバカなとこかな

美:それは認めない

○:ダメか〜

美:当たり前!



それから日は沈み......


美:もう寝よ〜よ

○:一緒に寝るの?

美:うん

○:よし...じゃあ!

ガバッ

美:ウッ

美月を思いっきり抱きしめた

美:○○強すぎ(笑)

○:美月が可愛いのが悪い

美:嬉しい...///

○:美月〜

美:なぁに?

○:何にもない

美:ウザッ

○:ひでぇ〜

美:たぶん今日が最後だよ

○:いきなりなんの話し?

美:○○の顔見れるの

○:そっか....

美月の目は、○○の顔が微かに見えるだけの状態だった

○:僕が最後でいいの?

美:1番相応しい人だよ

○:嬉しいね

美:これからは私の目になるしね

○:頑張ります

美:助かるよ

○:おう!

美:これからどうしよっかな(ボソッ)

○:ぼちぼち決めていけばいいじゃん

美:私って何の仕事できるんだろ?

○:ドライバー

美:轢かせる気か!

○:嘘嘘(笑)

○:パラ選手とか?笑

美:いいかも!

○:うそっ!?

○:(適当に言っただけなんだけど...

美:だって運動するの好きだし!

○:音痴だけどね

美:人と関わるの好きだし!

○:たまに人見知り発動するけどね

美:○○うっさい!

○:ごめんごめん(笑)

○:でも目指すのはいいかもね

美:うん!

美:にしても人間の感覚って83%が視覚なんだって

○:....

美:それが無くなるって怖い....

○:たしかに17%しか残らないんだもんね

美:それに私の病気250人に1人くらいしか失明しないんだって

○:そっか....

美:運悪いとかどころの話じゃないよ....

○:そうだね...

美:まぁあ色々考えても意味ないから寝よ

○:寝よっか

美:ジー

○:どうかした?

美:最後だから○○の顔見てる

○:ずっと見られると照れるな...

美:じゃあいいや、おやすみ!

○:おやすみ

美:手...繋いでいい?

○:いいけど....なんで?

美:起きた時になんにも見えなくてもいいように

○:そういう事か。いいよ

○:手繋ご

美:ありがと

そのまま夜が明け....


美:○…○○….○○!......○○!!


○:...ん〜?どうした?

美:○○だ!

○:見えなくなっちゃった?

美:うん....暗いよ

○:目は開けるんだね

美:でも見えなきゃ意味ないよ....(泣)

ギュッ

○:大丈夫だって...ずっとついていくから

美:うん...


ーそれから1週間後ー

美:○○、スーパー行こ!

○:お、とうとう外に出る気になったんだね


そう。あれから美月はずっと家から出られずにいた


美:メソメソしててもしょうがないからね

○:そうなったら今すぐ行こ!



ースーパー到着ー


美:いつもなら5分で着いたのに何分かかった?

○:20分くらいだね

美:腕組んでても1歩が怖いんだよね...

○:一緒に練習しよ

美:○○は何を練習するの?

○:美月の歩幅に合わせること

美:助かるよ

○:おう

○:とりあえず買い物しよ

美:うん



美:何作ってくれるの?

○:あんま料理上手くないからカレーでいい?

美:全然いいよ

美:カレー好きだし

○:なら決定だね

美:じゃあにんじんとかじゃがいも買わないとね

○:だね





○:ただいま〜

美:疲れたー

○:いつもより疲れた

美:帰り何分かかった?

○:17分

美:3分縮まった!

○:この調子だね

美:うん





○:今から作るよ

美:うん


ー10分後ー

美:なにか手伝おっか?

○:う〜ん...(美月って何が出来るんだろ?

美:野菜炒めよっか?

○:できるの?

美:野菜炒めるのくらいできる

美:元々料理出来てたんだし

○:まぁあそっか

美:じゃあ炒めまーす

○:はーい

美:あ、火だけつけて

○:はいはい

ピッ....

ジュー🔥

○:普通に出来そうだね

美:炒めるのは感覚だからね

○:さすがだね(笑)

美:なんで笑うの!

○:美月がそれっぽいこと言うと面白い(笑)

美:ムゥゥ

○:僕も料理頑張らないと

美:楽しみにしとくよ

○:うん





○:できたよ

美:お〜カレーの匂いがする

○:当たり前だけどね

美:まぁね(笑)

○美:いただきます!

パクッ

美:美味しい

美:○○美味しいよ!

○:良かった〜

美:でも食べずらい

○:実際頬にカレーついてるもんね

美:○○食べさせて〜

○:いいよ

美:やった!

○:ハィ

美:ん?

○:ハィ

美:アーンは?

○:恥ずかしい

美:はやくはやく!

○:わかったよ

○:アーン

アムッ

美:○○に食べさせてもらった方が美味しい!

○:味変わんないでしょ(笑)

美:変わるの!

○:そっか(笑)


それから時間が経ち......

美:○○! 今ソファーとテーブルの間にいるでしょ

○:え!?何でわかるの?

美:感覚?体感? なんかそんな感じ

○:美月って元から感覚研ぎ澄まされてたんだろうね

美:そうかもしれない

美:ということで寝よー

○:どういうことでだよ(笑)

美:早く連れてって!

○:へいへい(笑)




○:ついたよ

美:ありがと

美:やっと1日終わった....

○:終わったね

美:うん

美:今わたしどんな顔してる?

○:ちょっと口角上がってて可愛い顔してる

○:あ、また上がった

美:そうなんだ(笑)

美:○○が今どんなこと思ってるか当ててあげよっか?

○:わかるの?

美:なんかわかるよ

○:当ててみてよ

美:なんか言いたいけどちょっと悩んでる

○:マジか!!

美:で、何がいいたいの?

○:美月に1つ提案したいことがあってね....







ー10年後ー


実況:◎◎美月! 今.....投げました

シュッ

実況:、、、、

実況:決めた! ここに来て日本同点!



実況:さて、東京パラリンピック、
        “ゴールボール”!

実況:銅メダルを手に入れることは出来るのでしょうか!

実況:時間は残り20秒

実況:◎◎美月に勝負の行方は託されました

美:(絶対勝つもん!

実況:美月、モーションに入りました

実況:...投げた!

審判:Quiet Please!

スルッ

実況:決まった〜

実況:◎◎美月! この大舞台で決めました!

実況:日本銅メダル!








○:おつかれ〜

美:づがれだ〜

○:全部試合みたよ!

○:最後のやつ凄かった

美:最後「上手くいく!」って思って投げたら決めれたよ!

美:私すごくない!?

○:まさか運動音痴の美月がメダルとるとは....

美:美月ちゃんはやればできるの!

○:にしてもまさか仕事としてスポーツやるようになるとは....

美:失明しても○○とわかれずに仕事もできてほんとによかったよ

○:美月....

○:好き!

美:これからもよろしくね!

○:もちろん!


そう。僕があのとき美月に提案したのは
“ゴールボール”

美月の長けた感覚能力を活かせる
面白いスポーツ。
この競技ではみんな83%の感覚を失った中で行うことになっている。
だからこそ、美月の良さが発揮される。そう思ったからこそ、提案した。

君が目を失っても、
僕の君に対する恋は止まらない。

いつも側に居て  これからも勇気づける。

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