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J1第2節サンフレッチェ広島vsアルビレックス新潟 後半51~52分の「佐々木・荒木の持ち運びの違いと川村のマークを外す動き」
2023年2月26日Jリーグ第2節広島vs新潟
後半51〜52分、広島のCB荒木・佐々木のドリブルで持ち運ぶプレーが連続で見られました。
荒木のプレーは効果的な攻撃に繋がらず、佐々木のプレーはチャンスの構築に成功。また、IHの川村はそれぞれの持ち運びに合わせて相手DHを外す動き直しをしています。
このブログでは、両CBのプレー選択とその効果について違いを考えてみようと思います。
荒木の持ち運び※詳細はDAZNを参照
【プレーの流れ】後半51分
①荒木が相手FWの脇(左側)からドリブルで前進
②荒木に相手DHが食い付くのに合わせて川村はDH脇に動き直す
③荒木→川村へのコースは空いたがパスは出ない
4荒木は結局相手MFの前を彷徨うだけで効果的なプレーはできなかった
荒木が相手FWから前進して相手DHが食い付くタイミングで、川村はフリーになる動き直しをしています。もし荒木から川村へのパスが出てスムーズにターンができれば、大外で構えるWB東へ展開してチャンスメイクも可能でした。ちなみに荒木の持ち運びに合わせてナッシムもDF裏への飛び出しています。
持ち運ぶ意識自体は大事なのですが、運んだ上で相手を釣り出してフリーになった味方に繋げなければあまり意味がありません。
荒木は時々思い出したかのように運ぶプレーをしますが、ただ運ぶだけでその次のプレーで効果的な選択をする余裕がまだなさそうです。
佐々木の持ち運び※詳細はDAZNを参照
【プレーの流れ】後半52分
①佐々木が相手FW脇から前進
②相手SHが対応するが佐々木はサイドに張るWB東へのパスを匂わす
③佐々木はサイドへのパスをフェイントに相手SHをかわして内側に前進
④相手DHが佐々木に食い付くのに合わせて川村がマークを外す
⑤佐々木はWB東へのパスを選択
⑥東には相手SBが対応してCB-SB間にスペースが空く
⑦スペースに飛び出した川村にパスが出てチャンスに繋がる
佐々木のプレーには持ち運んで相手を食い付かせた上で、フリーになった味方にどうやって繋ぐかのビジョンが見えました。
まず佐々木のドリブルに対応する相手SHには、サイドで構えるWB東へのパスをフェイントに使って前方に進出、その先で相手DHを食い付かせた上で東にパスを出しました。
佐々木の「相手DHを食い付かせる」プレーに合わせて川村はマークを外してフリーになり、DHの後方へとスルスルッと移動します。
サイドの東に展開され、相手SBが対応したことでSB-CB間が空き、広大なスペースに川村が飛び出します。
あのシーンで新潟のCB-SB間が大きく空いた理由としては
佐々木が相手SH・DHを釣り出しており、プレスバックが間に合わなかった
ナッシムとピエロスが相手CBを中央にピン留めさせていた(新潟はCBをあまり中央から動かしたくない?)
といったところでしょうか。
結果としてCB-SBの間のスペースで川村がフリーとなり、ゴールに近い位置からのクロスに繋がりましたね。
佐々木選手は昨年から持ち運ぶプレーが顕著に増えていますが、ただ運ぶだけでなく前方の味方に時間とスペースを与える意図が見えます。
川村の動き直し※詳細はDAZNを参照
IHでプレーする川村はCBの運ぶドリブルに合わせてマークを外す動きが見られま
した。
マッチアップした状態で相手のマークを振り切るのは難しいのですが、後方の味方が運んでマーカーの視線をボールホルダーに向けたタイミングを利用して川村はマーカーの視野外になるように動き出してフリーになっています。
荒木のドリブルに対しては相手DHの外側にポジションを取ってパスを引き出そうとしました。佐々木のドリブルに対しては相手DHが佐々木に食い付いたタイミングで、相手DHの裏にスルスルっと移動してフリーになっています。
こういった「味方のドリブルに相手が食い付いたタイミングでマークを外す動き」が毎試合見られるなれば、IHでプレーする川村にはかなり期待が持てると思います。
まとめ
CBの持ち運びは効果的なプレーとして指摘されることは多いですが、持ち運びに合わせて相手をいかに食い付かせるかが重要で、食い付かせたタイミングで受け手がマークを外してパスを受ければ効果的な攻撃が可能になります。
後半52分の佐々木→東→川村の一連のプレーは、佐々木の持ち運びと川村のマークを外す動きのタイミングが合った上で展開できた好プレーでしたが、荒木は持ち運ぶだけで頭が一杯で次のプレーへのビジョンが持てないのが課題と言えるでしょう。
川村はCBの持ち運びに合わせて自分のマークの視野外に逃げる動きを繰り返ししているのでIHとしてのプレーに期待ができます。
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