次のステップに行くために。
匠海は、刃物と先端恐怖症だ。
先端恐怖症は元からだが、刃物は病気になってからだ。
刃物は包丁、鋭いハサミ刃物全般ダメだ。
先端は注射針や、尖ったシャー芯鉛筆もダメだ。
だから匠海は料理がほぼできない。
しかし、料理がしたい。匠海は療養中だ。元気な時は料理がしたい。だが、刃物が握れない。悔しい。
そんな時、子供用で切る・混ぜる事が出来て刃物では無い物を見つけた。
感動した。
えっえっえっ!?!?!!!これなら怖くないし握れるし料理ワンチャン1人で出来んじゃね!?!?!?欲しい!!!!!!!!やりたい!!!!!!はっちゃけていた。気分はルンルン。出来ないスキップもできる気がした。
これなら料理ができるのではないかと。
匠海でも作れるのではないかと。
賛成してくれると思って家族に交渉した。
反対だった。そうだよな。
躁鬱+不安障害+解離性障害を持っている女だ。
【安全な物】も【危険な物】に見えるんだろう。
それでも、匠海は料理がしたい。
心の病気が分かってから料理が出来なくなった。
刃物が怖いからだ。刃物が怖いと言うより、刃物を持って何をしでかすか分からない恐怖がある。多分正しい使い方をしないと匠海自身も思っていてそれで恐怖を抱いている。その事を家族も理解している。だから不安なんだろう。
でも、刃物じゃない子供用のものなら手伝える。
頑張って交渉しようと思う。
止まってちゃいけない。進まなくちゃいけない。
否、進みたいんだ。無理している訳ではない。
出来ることを増やしたい。配信者やコンビニ店員だけじゃなく、家の事もできるようになりたい。
難しいことだと思う。だが、立ち止まってばっかりも嫌である。
形がどうであれ、チャレンジすることは匠海の次のステップに進むものだと信じている。
だから、やれる事はやってみる。それだけだ。