未来掲載短歌 2020年8月号

未来2020年8月号掲載

静かな街

桜あり飲み食いはなし大切な人を守れと要請されて
星空でなくても成り立つ詞を書くよ:おまえはそんな歌を録れない
子どもさえいる人なのに優しいな それでかな、って次の日ふいに
部屋ひとり腹筋しつつ待っている900ワットが出せるレンジを
それまでに私は何を成しますか夏には父の二十五回忌
脚立だって筋肉痛だ前出しを終えて両足浅くずらせば
示しがつくほどの除菌を実施する客の流れを見ながら随時
この夏の不動の予定ひとつ持つ横線群れる手帳の中に

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