未来掲載短歌 2022年5月号

未来2022年5月号掲載

和霊/渋谷区神南二丁目

郷という夜汽車において腕を組み小さな音を探し続けた
墓守の役に生まれて台本を書くのも私 意志を割る槌
無知なので、棚にもたれるこども向け「ちえ」のドリルを立ち読みしたい
松山に立つと私はゆく人や来る人じゃなく、踏切がある
自由、そう、お風呂だ。洗顔ネットって誰の発明だったんだろう
あたたかな船で浮かべるフィクションの洗顔ネット博士謀殺
指先が冷えるばかりの東京でリングライトに電池を入れる
さまざまな主義の大挙をよけなくちゃこれも渋谷に住む税なのか
日没の国立代々木競技場、屋根に残った雪を光らせ
30泊5万にしてはいい夢を見れてるやんか松山の部屋

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?