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未来掲載短歌 2022年2月号

未来2022年2月号掲載(未来広場)

伊丹/新神戸

さあ私、好きでやってることだからとりつく島もない秋の空
旅のたび記憶の道に映り込むあの精米機いま何してる
大阪のライブハウスで二秒間それは確かな目を目で愛撫
遠ざかる大阪の街見下ろせば男の乳首みたいな山が
銀行がいつ開いてるかわからない(銀行員はたまに会うけど)
荒れまぶた薬を塗ればまつ毛にもついてメガネも困り果ててる
降って晴れ降って晴れての昼ひたに堅牢であり続ける職場
特急が瀬戸大橋を渡るとき囚われ人の視界広がる
「三ノ宮」とつく看板が多すぎて正しい道がなんだか怖い
岡山は乗り換える場所きび団子帰りしなには欠かさず買って

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