憲法をじっくり考える本(新書)
①『憲法と平和を問いなおす』
(長谷部恭男著、ちくま新書)
繰り返し訴えているが、僕の憲法観のみならず、人生観をも変えた本。2004年の本だが、色褪せない。民主主義、立憲主義、平和主義の三つの価値について、その「基礎」に何があるのかを掘り下げて考えていく。哲学的な話が多いが、じっくりと読めば足腰が強くなる。憲法の基本的な役割について“考えたい”なら、本書がおすすめ。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480061652/
②『平成デモクラシー史』
(清水真人著、ちくま新書)
日本国憲法は73年間改正されていない。だが、それは実質的意味の憲法という視点では正しくない。憲法を憲法附属法とともに一つのシステムとして有機的に捉えなければ、浮ついた議論・ためにする議論になる。本書は、1990年代の統治機構改革を通して、憲法の統治機構の論点を見つめていく。新聞記者の文章なので、非常に読みやすい。
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480071194/
③『おそろしいビッグデータ』
(山本龍彦著、朝日新書)
憲法論議で嫌気が差すポイントは、イデオロギーに基づく堂々巡りのやりとりだと思う。しかし、本書にはそうしたきな臭さはない。新しい技術、それに伴う社会問題に対して、憲法という武器は何をすることができるかを論じる。ビッグデータという題材を通して、憲法の最重要価値である「個人の尊厳」(13条)を考え直していく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?