出来が良いWindowsタブレットを買った

Surfaceスタイルの格安Windowsタブレットを衝動買いしたら驚くほど出来が良く、とても気に入ったので購入動機や今まで使ってきた端末との比較を行いながらレビューします。

購入したのはASUS TransBook mini T102HA-128Sで、いわゆるSurfaceクローンです。RAMが4GBあって、ストレージがeMMC128GBのモデル。

比較対象はiPad Air2、ASUS Vivotab Note8、TransBook T100HA-128Sです。過去にASUSのEeePC-4GXとEeePC S101と言うネットブックも使ってたことがあります。どんだけASUS好きなんだ。

購入の一番の動機は、スラスラ書けるペンを使いたかったから。今まではiPad Air2をつかっており、iPad ProのApple Pencilに羨望の眼差しをむけていました。何度かおもいきってiPad Proを買ってしまおうかと考えましたが、今のiPad Air2の動作に不満があるわけでもなく、Apple Pencilのために10万かけて買い換えるのもなぁ・・と悶々としておりました。

また、iPadに出来ることが増えてきたとは言え、やっぱりWindowsが多数派です。まわりに合わせてWindowsを使っていれば話は早いのですが、僕はWindowsが大嫌いなんです。

そんなWindows大嫌いな僕がこのTransBook miniを購入に至る経緯について、だいぶ長い前置きを含めて語っていきたいと思います。

先にT102HAを買った理由をざっくり言っておくと、Apple Pencilの様なペンが使えて値段が安かったから。そりゃ、Apple Pencilに比べたら劣るのはわかってます。けど、ぜんぜん駄目かというと、案外そうでもない。以下、約2年間の散財の歩みです。

以前使っていたASUS Vivotab note8にはワコムのデジタイザーペンがついていました。このペンがけっこう使えていて、ぶっちゃけ僕の用途ではこれで充分だったんです。端末のスペックとしてはCPUはATOMでRAMは2GBしか無い、安いけどスペックが低いWindowsタブレットでした。けっこう気に入ってたし、Win10にアップグレードしたり社外品のペンを購入したりして楽しんでいました。残念ながら、一番の特徴であるデジタイザーペンがハードウェアレベルで故障しやすい(しかも本体側の問題)のと、画面が点かなくなったので退役しました。(いつか直そうと、保管はしてます)

この端末は使いやすかったのですが、タブレットだけで自立しないという欠点がありました。と言うかタブレット全部にいえますよね。iPadですらそうですから。iPadは純正でスタンドにもなるカバーが用意されており、これがけっこう出来が良いです。Windowsタブレットにもそういう気の効いたアイテムがあるともっと使い勝手がよくなりますね。Vivotab Note8にはBTキーボードを用意し、そのキーボードのケースが変形してタブレットスタンドになる機能があったのでそれを活用していました。

このVivotab Note8が壊れる前後に、「Win10ってロースペック端末でもけっこういけるやん!もうちょっと実用的なの買ったろ!」と調子にのって他のPCを購入しようと決意。Surfaceが気になってたけど、使いやすいとは思えず、たしかに出来は良さそうだしスペックも高いけど当時はMacBook Airも持っていたのでハイスペックモバイルは必要無く、軽自動車のようなサブ端末が欲しかった僕のニーズには合致しませんでした。

とはいえ、タブレットがほしかったので2-in1かデタッチャブルノートで機種を選定。ちょうど32bitから64bitへの移行時期だったので、ATOM機の中に64bit仕様の製品がちらほら出てきていました。ヨドバシの店員さんに相談したところ、「この機種はメモリが4GBあって、他の2GBしか無い端末よりも余裕を持って作業できますよ!」と紹介されてASUS TransBook T100HAの購入を決定。Surface3(Proじゃないやつ)も気になっていたのですが、ATOM機に10万も出したくないなぁ、、、と。

実はTransBookは昔から気になっていて、Android OSを採用していた頃から欲しくて仕方なかったのです。ところが、この時買ったT100HAは残念ながら僕には合わない端末でした。

まず、TransBookである意味が無い

TransBookと言えば、タブレット部は軽量にできていて、キーボードドックに拡張バッテリーやら外部ストレージ(HDDなど)を搭載しており、必要に応じて「今から本気だす」と合体メカニズムが男の子の心をくすぐっていました。ところがT100HAはどうだ。キーボードドックと合体して得られるものはキーボードくらいしかない。いや、自立出来るようになるとか、フルサイズのUSBポートが使えるようになるとか、他にもあると言えばあるのですが・・・。

自立出来るとはいえ、モニターを見やすい角度に開けない。

フルサイズのUSBポートを使えると言っても、ガワがせり出しているためちょっと幅が広いUSBメモリなんかはガワに干渉する。

と言うメリットを相殺するデメリットまでついてきた。まずモニター角度ですが、これはハードウェアによる制約だと思われます。T100HA、タブレット本体がけっこう重く、反対にキーボードドックが軽すぎるんです。従来のTransBookだったらキーボードドックにバッテリーなりHDDなりを積んでいて、それなりの重量がありました。ところがこのT100HAはキーボードドックにはキーボードとUSBポートしかありません。重心位置が悪く、これ以上開くと後ろに倒れてしまうのです。(軽くつついたら簡単に倒れた)

USBポート周りについては、お前ちょっと考えろよ・・って形ですね・・。

もっとがっかりしたのはOffice Mobileです。ヨドバシの店員さんの話では、iPad版のOfficeよりは出来ることが多いという説明だったので、付属のOffice365の期間が終わったらそれを使えば良いかと思ったのですが、iPad版よりも使えると言うのは嘘でした。iPad版もWindows版Office Mobileも、エクセルのマクロに対応していないと言う点では同じです。ところが、その振る舞いは全く違うものでした。

iPad版エクセルはマクロを含んだファイルを開こうとしたとき、マクロが動作しない状態でとりあえず開く事はできました。もちろん、編集も可能でした。(マクロに関係ない部分で)

ところがWindows版のエクセルMobileは、マクロを含んだファイルは開くことすら出来ませんでした。これならiPad版エクセルの方がマシだよ!

ならばせめてPCスタイルではなく、タブレットとして使おうと思ったのですが、それはそれで厳しい。Windows8や10はタブレット対応をPRしていますが、完全にタッチ操作だけでは非常に使いづらいです。と言うか、出来ないことがあります。たとえばカーソルを重ねるマウスオーバーなんか全く出来ず、タップするしかありません。iPadなんかは、マウスオーバーが必要な箇所は最初のタップでマウスオーバーとし、次のタップでクリックみたいなチューニングをしてあります。最後発の癖にこの辺の作り込み足りてないんじゃない?

動作ももっさりでストレスフルでした。メモリ4GBは伊達なの?ってレベル。メモリが2GBしかないVivoTab Note8の方がキビキビ動きます。後からわかったのですが、どうやら64bitってメモリたくさん積めるけど、そもそもメモリをドカ食いするのでメモリをたくさん積まないといけないらしんですね。なのにこの機種は4GBまでしか積めず、増設不可。となると64bitのメリットは無く、デメリットしか無い。低スペックのWindowsタブは32bitのままでよかったんじゃないの?

iPad Proとペン付きのWindowsタブレットがよく比較されますが、前者はペンが無くても済むところにペンを追加して使い方の幅を広げたのに対し、後者はポインティングデバイスが無いと操作が完結しないからペンで補ったと言う印象があります。

というわけで、メリットよりもデメリットが勝ったので手放し、「やっぱりiPadだろ!」と原点回帰したわけです。とはいえ、じゃあiPad Proを買うかというと、そうでもない。

だってペン以外に魅力が無いから、ペンに10万払うような印象を払拭出来ないので。

とは言え、ペンは欲しいのでいろいろ考えました。目をつけたのはPaper by Fifty Three。このアプリは対応の専用スタイラスペンを出しており、BTで接続して筆圧検知やパームリジェクション、消しゴム機能(これはApplePencilにも無い!)を実装してます。しかもMicrosoft OneNoteでもサポートしており、筆圧や消しゴム、パームリジェクションを利用できます。Apple Pencilが出たお陰でこの専用ペンの需要が下がり、安くなっていたので買ってみました。使い勝手は良好。Paperの方では、ペンとは別に指の方にぼかしやカットアンドペーストの機能を割り当てて使い分けることができ、シンプルで気持ちよく手書きが出来る良いアプリでした。この間までは。

アップデートで糞化してしまい、工夫してiPadで快適な手書き環境を用意する気力が失われてしまいました。そこへ来て、このT102HAです。完全に衝動買いでしたw

実はこのTransBook miniが発売された当初から目をつけており、「うっはwwSurfaceのパチモノwwwwパチフェースww」と気になっていました。Surface3買うならこっちだよなぁ・・とチェックしていたのですが、先日展示品処分特価を見つけてしまい、先述のアプリが駄目になった事も相まって衝動買い。元々はGoogle Homeの半額セール目当てでビックカメラに行ったのですが、それはスルーしてT102HAをお持ち帰りw

と、たいっへん長い前置きでしたが、T102HAの感想をば。

外観やらスペックやらはレビュー記事がいくらでも上がっているので割愛します。まだ使い始めて3日目ですが、かなり気に入りました。

動作については「また64bitでメモリ4GBか・・」と不安でした。ストレージは12BGBあるので余裕があり、タブレットだけで自立してペンがあるから操作には支障がなく、快適な手書きが出来ると言うメリットがあるので「多少の不満は目を瞑って使おう」と思っていたんです。

ところが、動作に不満が無い。え、どうしたの?VivoTabNote8並にキビキビ動くぞ?CPUが進化したから?OSの出来が良くなった?eMMCが良くなった?それら全部?

よくわかんないけど、動作については満足してしまいました。こうなってくると、目を瞑らないといけないような不満が無いので、メリットしかない。流石に動画編集とか(iPadではやってる)は出来ないでしょうが、このスペックのPCにそれを求めるのがそもそも間違いだと思っているのでやろうとも思わない。これならiPad Proを買わなくても済みそうです。(ペン以外に魅力的な機能を搭載したモデルが出た時はその限りではない)

指紋センサーが裏側にあるのは微妙・・って思ったけど、天板開く前(キーボードを開く前?)にタッチして認証しておけば、開いたらログイン舌状態だし、タブレットのみの時は指紋センサーに触れるだけでスリープから復帰してログインできてると言うのも気に入りました。iPadのTouch IDに近い感覚で使えます。iPadを買って以来、毎日欠かさず持ち歩いていました。アホなので、Windowsタブレットを手に入れても「念のため・・」とiPadとWindowsタブを一緒に持ち歩いていた事もあります。ところが、このT102HAは初めてiPadを持っていかなくてもいいかも?と思わせてくれるくらい気に入りました。

週末に出張があるので、その時にこの端末の本当の使い勝手がわかるかな?と思ってます。その時になにか気づいた事(良い事でも、悪い事でも)があればまた記事にしたいと思います。

無駄に長くなりましたが、今日はこの辺で・・。

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