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『DEAD OR ALIVE』の今後。

現在休止中の『DEAD OR ALIVE 6』通称『DOA6』だけど
エロバレーでおなじみのスピンオフ作品の
『DEAD OR ALIVE Xtreme Venus Vacation』の方は
好調ですね。

最近格闘ゲームがとても活気付いている。
『スト6』こと『STREET FIGHTER 6』が大好評なのである。
初心者や新規層を取り込むべく従来の操作方法「クラシック」とは別に
「モダン」というワンボタンで必殺技が出て、
アシストボタンでボタン押すだけでコンボも出せる。
しまいにはスーパーアーツ(SA)も簡単に出せてしまう。

そのため従来の操作方法を好むユーザーから
ワンボタンで対空や無敵が付いたSAは強すぎるとか
論争が定期的に起きてはいるけど、
よくよく考えれば論争が起きるぐらい盛り上がっているという意味では
メーカー的にはすでに大成功していると言って過言でもない。
他にもゲーム1本分はあるぐらいのボリュームのあるワールドツアーや
カプコンカップの優勝賞金が100万ドルなどで話題が尽きず、
2D格ゲーにおいては覇権コンテンツと言ってもいいかと思われる。

さて3Dの方はどうかと言えば
一昔前は『鉄拳7』『バーチャファイター』
頑張っていた感じで今では『鉄拳8』のみ
辛うじて3D格ゲーを担っている現状である。

じゃあ冒頭で触れた『DOA』はどうなのか?
あれこれ思案してみたけれども、
現時点ではコンシューマーで
新作を出すことそのものが難しいと思う。

前置きは長くなってしまったけど、
何故そう思えるのかを順を追って書いていく。


コエテク会長によく思われていない

夫(社長)の反対を押し切りVR筐体を開発!? 異例の社内ベンチャー設立経緯から世界平和の野望まで、“名物夫人(会長)”のゲームへの深い愛【コーエーテクモ:襟川恵子インタビュー】

自社製品に対して「品がない」と言ってのける怖さ。

コエテク会長である襟川恵子さんから
こう思われている時点でかなりつらい!

個人的にこの記事を初めて見た時、
この会長こそが最大のネックだと思った。

トップに「品がない」と思われてる時点でもうキツイ。
この記事を更に読み進めていくと「売れますよ」と
言われて承諾した時点で儲かるのならよし、そうでなければ……
と想像するのはとても簡単に目に浮かぶ。

はっきり書いちゃうと
『バレー』は売れてるからOK
『DOA6』は売れてないから休止したと読み取れちゃうのである。

『DOA6』がプレゼン材料になりえない。

『DOA』が、セクシーからクールに。システム、キャラクター、あのエンジンは? 『デッド オア アライブ 6』インタビュー

開発にこぎつけたまでは良かったが……。

発売本数や基本無料版のダウンロード数が
『DOA5』と比べたら大幅に下がっている。
『DOA6』は全世界で約35万本しか売れていないのである……。
ダウンロード版は200万本とのことだが、当然基本無料版である。

さらに『DOA6』の基本無料版は
製品版が発売されてからたったの2週間で
告知無しで開始したために炎上した
というのも
記憶に残っている人も多いかもしれない。

今格ゲーが盛り上がってますからとか、
e-sportsでとかの理由だけでは正直弱い。
過去にこういう実績があると会社側にかっちりと
プレゼン出来てこそ開発費が降りて次回作が生まれるが、
前作を下回った数字でプレゼンに
掛ける事そのものがすでに厳しい。

最初にも触れた無借金経営で会社を運営している
襟川恵子会長の首を縦に振らせるには
「このゲームは儲かります」というしっかりとした
裏打ちがなければならない。

しかもこの会長、神奈川の日吉、
つまりは本社付近の大地主であり投資家でもある。
しっかりとした判断力と嗅覚を持ち合わせているので
生半可なプレゼンはほぼ通らないと思ってもいいかもしれない……。
かつて組長と呼ばれた任天堂の社長、山内溥さんがシブサワ・コウに
「あんたー、なんであないな嫁ハンもろたん。はよう別れなはれ」

と言わしめた女傑である。

とてもじゃないけどこのデータを元に作った資料で
プレゼンに持って行けれないと思う。
「数字は嘘をつかないが嘘つきは数字を使う」なんて言葉もあるけど
そもそもの数字で嘘というかハッタリが成り立たない時点でもうきつい…。

エロいコスチュームが作り辛い!

ある意味これも一番の問題かもしれない。
『バレー』の方はDMMと組んでPCで出していて
コンシューマーの制限がないからこそ
かなりギリギリな水着(と言い張ってる)を出すことが出来る。
しかしコンシューマーだとそうはいかない。
実際に『DOA6』を開発する時ですら瑠璃光の霞を出す出さないで
アートディレクターとプロデューサー(当時)が揉めたぐらいである。

『ストⅡ』の春麗からチャイナ服と太ももを奪うようなもん。

開発中のこの記事を見て若干の不安に陥ったが案の定、
『DOA5』の時のような際どい衣装は少なくて割りとナーフされた。
この事態に当然既存ファンからも猛烈に怒る人もいたが、
SIEが2018年辺りからエロに対しての規制が厳しくなっていった
側面もあるため、実はこの件に関しては
コエテクだけのせいではないという……。

そして今はコンプライアンスやポリコレが相当うるさくなって来ている。
おそらく『DOA6』レベルのコスでもコンシューマーの審査で
通すのは難しいかもしれないし、世間の目も厳しくなってきているので
炎上を避けるために自主規制してしまうかもしれない。

と、思っていたらPS5などでおなじみ
ハードウェアベンダーであるSIEが販売を担当した
『Stellar Blade』という今の時代に相当攻めた
グラフィックのゲームが出てきた。
『DOA6』と同じくCERO Dで。

だから令和時代でのコスチュームの限界が
ここまでだ! という指標が見えてきている
ので、
ユーザー側もこれで納得していただければ
ワンチャンあるかもしれない。


じゃあどうすれば良いのか?

ここまで『DOA』の続編を出すことが如何に難しいかを
つらつらと書いてきたが、どうしたら『DOA』が出せるのかを
これらを踏まえた上で考えてみた。

  1. 会長が引退するまでじっと耐えて我慢する。

  2. 早矢仕洋介さんが社長になる。

  3. コンシューマーは諦めてPCだけで展開する。

  4. 精神的続編を作って新規IPとして展開する。

現実的なのは1の後に2という流れかなと思ってる。
襟川恵子さんはもう70歳中盤なので正直いつ
勇退してもおかしくはない年齢でもある。
ただまぁ親族の名前をお見かけもしたので
そう簡単に変わるのかどうかは
また別問題だったりもしますが…。


2はチー忍を統括したこともある早矢仕さんなら
割りと前向きに復活させてくれそうな気配もありそうなのと、
現在副社長というポストにいるため、
社長になられることを期待してもさほど高望みではないかもしれないが、
今現在、新規大型タイトル開発のために
既存のブランドとは独立したプロジェクトとして、
AAAスタジオを新設し、その担当者でもあるので
既存の続編タイトルに注力というのが
ある意味難しい立場にもなってしまった。


3は課金要素マシマシなガチャ仕様になる懸念もあるが、
エロ要素は安定して供給できるとは思うし、
酷いことを言えばバレーの客も呼んで来れそう感もある。
別案としてバレーの中に格ゲー要素をエンドコンテンツとして入れるという
『スト6』でいうバトルハブ的なやり口もやれそうな反面、
e-Sportsという競技的な売り方が難しくなる可能性も否めない。

4はホールド、打撃、投げの三すくみのシステムのまま
新たに格ゲーを作っちゃうっていうのも手かもしれない。
ただ、マネタイズをどうするのかとかなどの
課題も山積みだったりもする。


最後に

個人的に『DOA』で3D格ゲーの面白さを知った自分は
続編をどうにか出して欲しいなって思う反面、
コンシューマー基準で考えた場合
今の時代に出すことそのものが難しいゲームなんだと
あらためて痛感してしまうのも本当に辛いところですが、
この文章は『DOA』の復帰して欲しいからこそ
乗り越えなければならない現状を敢えて書き出した
だけですのでお許しやお目溢しをいただけると幸いです。

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