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8/20 スーパーバー!#5

 新型コロナウイルスのせいでライブに行けない日が続く中、久々にライブハウスに行くことができた。今回参加したスーパーバーはホスト会場で有観客のライブを行い、それを全国各地のライブハウスに中継するという、このご時世だからこそのライブイベントである。第5回はINKYMAP、ハルカミライ、TOTALFATという新旧八王子のバンドが揃い、普段とは違うアコースティック編成で行われた。僕はホスト会場のチケットが取れなかったので、ホスト会場近くの渋谷O-nestで配信を見ることに。このご時世ライブを見るとなれば、配信ライブを家で見るのが基本になりつつある。しかし、わざわざライブハウスにまで足を運んで見るという行為は何かしらの意味があると思い渋谷に向かった。

 今にも崩れそうな気がしてしまうO-nestの階段を登ると、会場の1つ上にあるBarフロアでソーシャルディスタンスを保ちながら整列。検温や個人情報の確認などしてから、会場に入場した(対策万全!!)。 会場に入るとパイプ椅子が間隔をあけて並べられ、ステージには大きなスクリーン という普段とは違う異質な空間。それでも久しぶりのライブハウスということでワクワクしながらライブの始まりを待っていた。

1.INKYMAP

 半年ぶりのライブであり、初のアコースティックだというINKYMAP。そのこともあって緊張してる様子が配信の映像からでも伺えたけど、素晴らしいパフォーマンスだった。僕自身あまりこのバンドを見てきたわけではないから偉そうなことはいえないけど、去年のムロフェスで初めて見たときよりも、パワーアップしてると感じさせてくれた。                  

 ライブするのが難しい状況であっても、音楽に対して諦めない姿勢、希望を持ってるということが歌やMCからビシバシ伝わってきて、めちゃくちゃ泣きそうになった。今度見る時は3密のライブハウスでアコースティックではない普通のエモーショナルなライブが是非見たい。

2.TOTALFAT

 今回最年長であるTOTALFAT。結成20周年となるが、今回のためにBunta(ドラム)は指ドラムを練習するなどまだ挑戦をし続ける様子がうかがえた。普段フロアをむちゃくちゃにしてるバンドであるだけに、今回のバンドの中で1番アコースティックアレンジが想像できなかったが、予想以上にハマっており、最新のepからの楽曲も素晴らしかった。しかし、途中で配信トラブルが発生し映像が止まってしまう。配信ライブだとトラブルがつきものであるので仕方ないとは思いつつ、やっぱり生のライブが1番だなと気付かされた瞬間であった。配信が再開すると、

『止まない雨はない』

 というフレーズが今の社会の状況に勇気を与えてくれる「晴天」の途中から。SNSによると復旧作業中にホスト会場のために急遽演奏したらしい。その後は代表曲であり、アコースティックverが予想できない「PARTY PARTY」が演奏される。普段の楽曲が夏の海でパリピたちがはしゃいでる風だとすると、今回のアレンジは夜の海でいつもより大人感じだった(偏見)。急な演奏だったり、アレンジの引き出しの多さから20年という月日の重みを感じさせられる。最後はコロナ後にリリースされた「夜明け待つ」。タイトルから、歌詞から、希望に満ち溢れた楽曲だ。

『何を奪われたとしてもこの灯火は消させない
心の居場所 守り抜いた先で
新しい日々に帰ろう』

 ライブが生きがいであるバンドやファンの人たちの心の居場所であるライブハウスに戻れたこと。まだコロナ前の万全なライブはできないことなど色々考えさせられた。この楽曲を演奏する彼らにものすごい勇気をもらえた。

3.ハルカミライ

 トリはハルカミライ。登場の際、ドラムの小松が季節外れのダウンジャケットを着ている姿に響めきが起きる。出だしの歌詞を「俺たちを待っている」に変えた「世界を終わらせて」からスタート。今年に入ってからのライブでこのアレンジが多いことから本人自身も気に入ってるかもしれない。「ラブソング」では、ボーカルの橋本やギターの関の、力の入った歌声、演奏が映像越しでも心を熱くさせる。 個人的Top3に入りそうな曲である「ウルトラマリン」では涙腺やばいし、アコースティックが似合わなそうな「Tough to be a Hugh」はフロアがもみくちゃになる様子を想像しながら聞いていた。   

 今回1番拍手が起きたと思われる「スーパーバーの歌(メロディはTough to be a Hugh)」をドラムの小松が歌い上げる姿は、どこの配信会場でもみんなを笑顔にさせていたに違いない。

 橋本(ボーカル)の友人の結婚式で演奏する予定だったけど中止なったからここでやると、アコースティックverが似合う「みどり」を演奏。友人に送る歌なだけにいつも以上に気合が入ってるように見受けられた。

 最後は生で聞くのはおそらく初である「僕らは街を光らせた」 曲の途中でメンバー紹介が入り「ドラム 小松謙太 ギター 関大地 ベース須藤俊 ボーカル 橋本学」と続く。去年12月の幕張公演では各パートの紹介後「歌俺とおまえでハルカミライ」と言っていたが、今回観客はマスクをつけて歌えない状況だ。そのことを考慮し、「歌おまえ」というフレーズがなかったのだろう。こういうところからもまだ当たり前が戻ってきていないんだなと痛感させられる。

『それでも 俺たち強く生きていかなきゃね』

というこの楽曲の最後のワンフレーズ。このご時世で、当たり前が戻ってきてない状況下、こんな当たり前の歌詞が一番胸にきた。

 アンコールにもう一回「スーパーバーの歌」で終了。同じ曲を何回もやるあたりはいつも通り。感動で終わらせず、笑顔で終わらせるあたりハルカミライらしいなと思った。

 

 3組とも普段はフロアをバチバチに盛り上げて、むちゃくちゃにするようなバンドだ。コロナウイルスが流行っている今だからこそ今回の形式のライブが成立する。そういう意味では一生訪れない貴重な経験だったかもしれない。しかしそんなレアなライブを見ても、やっぱり3密のライブハウスで熱くさせるようなライブが見たい。PARTY PARTYしたいし、シンガロングしたいし、メンバー紹介で「歌、俺とおまえでハルカミライ」というフレーズも早く聞きたい。当たり前のライブがいつになるか見当もつかない。けれど、夜明けを待って強く生きていかなきゃね。

 




 


 


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