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淡路島めぐり ~神話の島のはじまりから~


私は今、「榎列上幡多」という所に住んでいます。読み方は「えなみかみはだ」と読みます。淡路島には難読地名が本当に多くあります。
生まれ育った所は、「阿万」、「あま」と読みますが、大和朝廷に海の幸を献上していた「淡路の海人」が由来ということです。
島めぐりのはじまりに選んだのは、沼島(ぬしま)の上立神岩(かみたてがみいわ)。地元では、「たてがみさん」と親しみを込めて呼んでいます。「国生み伝説の島」と言われている沼島。
 「天の沼矛」を下界に差し入れ、「コヲロ、コヲロ」とかき混ぜ引き上げると矛の先からしたたり落ち、できたのが「おのころ島」。
島めぐりのはじまりは、「おのころ島」が相応しいと思い、さっそく、沼島に出かけてきました。南あわじ市の土生(はぶ)港から出ている沼島汽船乗り場に着くと、平日の朝というのに観光客が待合室に多くいたのは、先日放送されたNHK「ブラタモリ」の影響なのでしょう。土生港から沼島港まで一〇分。五〇年ほど前に漁船に乗り、高校一年の文芸サークルの合宿で初めて訪れたことがありました。泳いだ後に島の銭湯に入ったこと。そして、島の周囲を漁船で回り海上から高さ三〇㍍の上立神岩を見上げ、船下に見える海は底なしの様な深く濃い藍色だったことを記憶しています。“天の沼矛の先”と言われている上立神岩までは、沼島港から徒歩二十五分、緩い登坂の後は、急な坂を下りていくと太平洋が広がり、白い波しぶきの磯に到着します。そこにすっくと突き出した「たてがみさん」を写真に撮らせていただきました。

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