人生を救ってくれた歌
こんにちは。たまです。
きょうは「人生を救ってくれた歌」の話。
音楽が好きだから、救われた歌はものすごい数ある。
でも、本当に人生を救ってくれた歌があって、その歌の話。
SOUL JUNKYというバンドを知ってるかい?
SOUL JUNKYというバンドを知ってる?
多分、「知ってる」って答える人は、ほとんどいないと思う。
そりゃそうだ。
彼らは、僕の大学時代の同級生。軽音楽部で一緒になった人たちだ。
僕らがまだ1年生の時に組まれた、ギター・ベース・ドラムのスリーピース。確か、Indian-Hiのコピーから始まったバンドが「SOUL JUNKY」。
その頃の僕といえば
大学に入った頃の僕は、本当に困ったやつだったと思う。
高校生の頃から続く「暗黒の時代」を引きづっていた。
他人との距離感が分からず、コミュニケーションの取り方も分からない。
自分以外の全員が敵だと感じていた。
やることなすことすべてが試練のように感じていた。
他人とうまくやれないことに気付いて、だんだんだんだん学校に行けなくなって、軽音楽部にも行けなくなった。
頑張って参加した部活の飲み会では、酒を飲み過ぎて部活の仲間に暴言を吐き、先輩にもご迷惑をかけ、今考えても穴があったら入って埋めてもらいたいくらいの醜態をさらす日々だった。
何をしても上手くいかない日々。
人生をやめてしまいたいと本気で悩んでいた。
そんな時、気にかけてくれていたのがSOUL JUNKYのメンバー。
馬鹿みたいに辛い手作りカレーを真夜中に届けてくれたり、一緒に海を見に行ったり。
そんな気遣いをしてもらっても、まだ僕は引きこもりがちであった。
そして、その日は来る
軽音楽部は定期的に学内でライブイベントをやっていたのだけど、それまでの僕は気分次第で観に行ったり行かなかったり。
ある日、勇気を出してライブイベントを観に。
何気なく観ていたのだけど、SOUL JUNKYの出番、曲の中で僕の名前が呼ばれた気がした。
いや、呼ばれた。
え?
うん、呼ばれた。
後日、彼らがCDを作った時に分かるのだけど、タイトルは「T.A.M.A.X.X.X.」。
(↑「X」の部分を書いてしまうと僕の名字がバレちゃうので…)
ライブ会場ではうまく聞き取れなかった歌詞を、歌詞カードで読んだ僕は一人で泣いた。
蜘蛛の糸のような曲
アマチュアバンドだけど、著作権は著作権だから歌詞は書けないけど、その歌詞を読んで、久々に「味方」ってものが自分にもいるのかもしれないと思った。
他人を信じても良いかもしれないと思った。
暗いところでうずくまっていた僕のもとに垂れ下がってきた一本の蜘蛛の糸のような曲。
もちろんすぐに明るい人間に変わったりはしなかったし、相変わらず他人と関係を築くのにも時間がかかったし。
本質の部分は何も変わらなかったのかも知れない。
でも、明るい人間でなくても、他人との関係を築くのが遅くても、別にいいじゃないか、と思えるようになったのがあの時だと思う。
人生をスタートしてから20年も経ってやっと、そう思えるようになったわけだ。
その後の話
以降、僕は軽音楽部に復活する、ぬるっと。
ACIDMANやeastern youth、GOING STEADYのコピーバンドをやったり、一人で弾き語りをしたり、調子にのってオリジナルソングを作るなんてこともしたり、と少しずつ楽しめる日々を過ごした。
同時に、大学生活も留年必至の状態だったのを仲間の助けを借りながらどうにか回避。3年目からは学校生活が少しだけど楽しく感じらえるようになり、ギリギリの単位数をゲットして4年で卒業した。
たらればの話
今でも「あの時、あの曲が無かったら…」と考えるとゾッとする。
大学を中退していた可能性もあるだろう。
今でも「暗黒の時代」を引きずり続けている可能性もある。
もしかしたら、すでに人生を終えていたかもしれない。
今でもSOUL JUNKEYのメンバーの一人とは交流があって。コロナ禍の影響でなかなか会えないけど、連絡を取り合うことは結構ある。
でも、これまで一度もこの話を本人にしたこともないし、今後もする気はない。多分、調子にのるだろうから。
でも、心底感謝している。だから、密かにここに書いてみる。
SOUL JUNKEYのメンバーがこの記事を見ませんように。
ここまでお読みいただきました方、長文をお読みいただき、ありがとうございます。