最悪を想定してみよう

最悪を想定して最善を尽くす。よく言われることです。最善を尽くすのは得意な人も多いと思います。しかし「最悪を想定する」は、想像力が必要だし、自分の願望を意識することが必要なので、意外に難しいことなのかも知れません。

今日は「新型コロナは風邪のようなもの」という考え方について、最悪を想定していると言えるかを少し考えてみたいと思います。

新型コロナを風邪のようなものだ、と言う主張があります。確かに本当に風邪のようなもの、インフルエンザ程度のものかも知れない。否定しません。でもまだわからない。将来どうなるか誰も知らない。だからわからない以上のことは、何も言えないはずです(昨日の記事に少し詳しく記載)。もし、根拠を持って風邪のようなもの、と言える人がいるのなら、その根拠を教えて欲しい位です。

陽性が確認されただけでは感染者とは言えない、という主張もあります。しかし、陽性が確認されるほどウイルスがあったなら、結局は感染するのではないでしょうか。それを具体的に知るために、陽性が確認されたにも関わらず、感染しなかったと確認できた人の割合を知りたいと思っています。できればその時のCt値。もしかしたら、感染者でない陽性者はいて、再検査で偽陽性とされているのかも知れません。しかし偽陽性の割合は僅かです。特にPCR検査ではほとんどゼロ。ちなみに感染者でない陽性者の陽性者に占める割合は、100%-陽性的中率 です。偽陽性がほとんどゼロなら、感染者でない陽性者もほとんどゼロであるはずと理解できます。
これも感染者は陽性者より少ないはずだ、という安心バイアスの一つなのではないでしょうか。


私は最近、コロナは風邪のようなもの、陽性者が感染者ではない、と思いたい人が増えているような気がしています。この願望に基づいて情報を探す。見つかる、ほら!と。背景には、怖いと思いたくない、何とか元に戻りたい、という願望があるのではないでしょうか。
(情報を探す時、元情報がごく少数の人またはグループの発信に集中していないかを確認しましょう。)

しかし今後、より感染力が高い変異株、後遺症がひどい変異株が出て来る可能性は否定できません。「これは今はわからない」を意識し、認める。思い込みで大丈夫だと考えない。これが最悪を想定するための最初のステップだと思っています。