ウイルスの弱毒化と数学的極限

時々、ウイルスは生きていくために宿主を殺さない、弱毒化していく、という人がいます。数学的に表現すると、これはある値に収束する数列と同じなに見えます。意外な類似性が示唆的なのではと思いました。

まず、数学で言う極限とは、lim で表現されるもので、微分の定義で出て来たりします。数列の場合、値がある値に限りなく近づくと考えれば良いでしょう。数列がどんどんある値に近づくとは言え、数列の最初が大きくばらついていても全く問題ありません。しかしこの「最初」が曲者です。実はしばらく、または相当長い間でも構いません。無限に続く数列なので、有限個の部分は気にしなくてよいのです。(詳細は、イプシロンーデルタ論法の理解が必要かも)


「ウイルスが弱毒化していく」が正しかったとしても、それは将来の話。やがてそうなるかも。そうでないウイルスは生き残れない。これまでは弱毒化した物だけが生き残った、というだけ。つまり収束するにしても、その前段階として猛威を振うかどうかは、全くわからないですね。


(私は疫学のことはわからないので、感想のようなものですが)
ある数列が極限に近づく、その前段階にはどんな値でもあり得ると言う話と似ていませんか?