スニーカーの手入れ(具体編)

画像1 では私が具体的にどのようにメンテしているかの説明を。と言ってもほとんどすべての作業が洗浄なのだが。まずは洗浄前の状態、特にシュータンとシューホールバーツに靴ヒモに沿った汚れが付着するが、これが頑固でウェットティッシュで拭いたくらいでは除去できない。実はメラミンスポンジで擦れば簡単なのだが、表皮を研磨するので一発で艶がなくなるし塗装へのダメージも著しい。絶対に使ってはならない。
画像2 で、まずは豚毛ブラシでホコリをかるく取り除いてから泡状の専用洗浄剤を着けて伸ばす。分子レベルで汚れを分解するものなので浸透するまで5分ほど放置。
画像3 もう一度洗浄剤を盛り、私は毛先の細い歯ブラシを使ってひたすらゴシュゴシュと磨く。少しずつ少しずつ汚れが取れていくので焦らずにやり続けることが肝心。私の場合は「こんなふうに何も考えずに作業に没頭できる時間があっても良いではないか」と自分に言い聞かせながら根気よくやる。するとやがて白さが戻ってくる。まだ泡まみれの状態だが、手前が洗浄前で奥が洗浄後。表皮の小キズに浸透した汚れまでは無理だが、ここまで落ちれば及第点。
画像4 それとシェルトゥとアウトソールのつま先も汚れやすい部分。靴の角度を変えて目視しながらしっかり洗う。
画像5 皮革と違って汚れが浸透しているわけではないので、短い時間でここまでキレイになる。余談だがこのアウトソールのステッチ、本物は規則正しく縫製されているが偽物は歪んでいたり不揃いだったりする。私たちが思っている以上にフェイクが流通しているので気をつけよう。贋物を見抜くための知識を習得するか、あるいは信頼できるショップで購入すべきである。
画像6 というわけで洗浄が完了。数時間陰干ししたあとに防水スプレーを吹き付けて乾燥させればOK。このときにシューキーパーを入れて型崩れを抑えることも大切。
画像7 最後に、あらかじめ漂白洗浄してから撥水剤を浸透させておいた靴ヒモを通してフィニッシュ。あらためて細かく観察すると除去し切れなかった汚れや使用によるヘタリもあるが、私はそこまで神経質ではないのでこれで十分。 このように手入れしておくことで、けっこう履き古した靴ではあるけれど外出のたびに・・まるで新調した靴を履き下ろしたときのようにウキウキできるのである。

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