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議会で、「軽度認知障がい(MCI)早期発見の取組」について質問しました

 6月15日木曜日、ふじみ野市議会で一般質問を行いました。質問は、「軽度認知障がい早期発見の取組」です。
 前日の6月14日、国会で、「認知症基本法」が成立しました。厚生労働省の研究班によりますと、認知症の人は、2020年時点で、600万人以上と推計されています。さらに団塊の世代が全員、75歳以上の後期高齢者となる2025年にはおよそ700万人と高齢者の5人に1人が認知症になると予測されています。5人に1人というと、高齢者を含む世帯の3~4世帯に1世帯が認知症と推測できます。周囲に認知症の方がいることが普通の状態となります。
 
認知症基本法では法律の目的について「認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らすことができるよう、施策を総合的に推進する」と明記しています。「認知症の方の尊厳や生活を支援する」という内容です。
 一方、認知症になる方を減らす努力が必要です。認知症の方が少ないまち、健康なまちをつくるため、質問をいたしました。

私の質問は以下のとおりです。
(質問)
 市では現在、「認知症あんしんガイドブック」第五版が発行されています。このガイドブックでは、目次の次の最初の記事で、「軽度認知障害(MCI)」について取り上げ、以下のように書かれています。

 MCIとは、「認知症の前段階」のことです。MCIの状態をそのままにすると、年間10~30%の方がアルツハイマー型認知症へ進行するといわれています。しかし、MCIと診断されても、アルツハイマー型認知症を発症するまでの速度はそれぞれです。適切な治療を行うことで回復したり、発症を遅らせることが出来ます。MCIの対策・治療は、早期であればあるほど効果が高いとされています。そのため、将来の認知症発症を予防するにはMCIの早期発見が何よりも重要です。本人はもちろん、家族など周囲の人も軽度認知障害について知識を持ち、変化に敏感になることが大切です。
引用は以上です。。
 MCIの方の推計数は、400万人とされており、これを人口比で本市にあてはめますと、3000から4000人前後と計算できます。こうした方々が認知症を発症しないように、早期発見に関する取組を進めていただきたいと考えるのですが、取組の現状と今後の対応についてうかがいます。
 
市の答弁は要旨以下のとおりです。
(答弁)
○本市においても、認知症に関する相談や高齢者が行方不明となる事案が増加傾向にあり、認知症対策の推進は取り組むべき重要な課題であると認識しています。
○まず、軽度認知症を含めた認知症に関する周知、啓発が重要であると考え、認知症に関する講座や啓発イベントの実施、認知症のチェックリストなどを盛り込んだ「認知症安心ガイドブック」の配布、市報やホームページの掲載により、認知症についての対応方法などの周知を図っています。
○また、適度な運動や人との交流などが、認知症の予防につながる生活習慣として挙げられることから、市施設で、「ぴんしゃん体操」の実施や通いの場の充実に力を入れています。
○70歳以上の人に対して実施している「はつらつ健康チェック調査」の結果、認知機能低下などのフレイルが心配な人には地域包括支援センターによる、アウトリーチを実施しています。
○介護予防センターでは、高齢者の認知機能を評価することができ、集団用認知検査「ファイブ・コグ検査」を毎年実施しています(注:ファイブ・コグとは、記憶、注意、言語、視空間認知、思考の5つの認知領域を指す)。

 私の再質問は以下のとおりです。

 ご回答にありました、70歳以上の方に対して実施している「はつらつ健康チェック調査」の調査の実施状況と回答率についてうかがいます。

(答弁)
○70歳から85歳の要介護・要介護認定のない方全員を対象に調査票を郵送する方法で隔年実施しています。回答された方へは、介護予防や健康管理に関するアドバイス票を個別に返送しています。令和4年度の実施状況は、17,631人にお送りし、11,533人、65.4%の方に回答をいただきました。

 私からは、以下の意見、要望を述べました。

 回答率は60%以上、かなり高いのではないかと考えます。
 MCIの早期発見の対象の年齢ですが、認知症のスクリーニング検診を無料で行っている神戸市では、65歳以上がその対象となっています。認知症発症者数は70歳代で急激に増えることが分かっています。発症の約20年前から、認知症の原因となるアミロイドベータペプチドの蓄積が、脳において始まるとのことですので、MCIの早期発見には、アウトリーチ、働きかけの対象年齢者をこれまで以上に、低くすることが効果的と考えられます。市報、SんS、チラシなど多様な手段を活用し、まず、MCI及び認知症の早期発見の重要性について、広く市民に、知っていただければと思います。
 認知症になりますと、ご本人も無念でしょうし、ご家族のご苦労は大変なものと思われます。市民における軽度認知症に対する知識を高め、軽度認知症の早期発見の取組を進め、認知症を予防し、認知症の発症を遅らせ、結果として、認知症に悩む方々とご家族を少なくし、多くの高齢者が、よりよい老後生活がおくれる、そうしたまちを実現していただければと思います。


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