商店街の活性化を、高松市丸亀町に学ぶ
地域活動グループ「ふじみ野オープン交流会」で、「まちの活性化」勉強会をフクトピアで、3月、6月、9月と3回行いました。勉強会でも取り上げた香川県高松市丸亀町商店街は、母の実家が高松市の中心部だった私にとって、格好の遊び場でした。先日、香川、高知を訪問する機会がありましたので、丸亀町を9年ぶりに訪問しました。丸亀町商店街振興組合事務局にもうかがい、資料をいただきました。 全国の商店街の中で、その活性化、改革の取組が、ダントツで注目を浴びている丸亀町商店街、まちの活性化への思いはとても熱く、資料は大変読み応えのあり、啓発を受けるものでした。
丸亀町商店街は、法人(組合)となっており、常勤の職員も結構、いらっしゃるようです。組合の事業として、再開発事業、アーケード、カラー舗装、販促事業、お祭り事業、駐車場事業、防犯・交通政策事業、カード事業、IT事業、まちバス事業、環境整備事業、レッツホール事業などなど、会社としても相当の事業範囲ですね。こうした事業展開など、さまざまな改革をしていることは、上のレジュメのとおりですが、その効果で、通行量は大きく回復しました(下参照)。
中心部の商店にとって、深刻だったのは、2004年の線引き廃止でした。線引きとは、都市計画上での市街化区域と市街化調整区域の設定で、香川県では、市街化区域と市街化調整区域がなくなりました。結果として旧調整区域を中心に、大型商業店舗の進出が加速する結果となりました。
改革しても改革しても、郊外の大型店舗との競争は続き、近年はネット販売も競争相手です。私が今回丸亀町のランドマークの一つ、三越百貨店をたずねて、印象だったのは、高級化でした。特に、服飾に力を入れていました。郊外店やネット販売とのすみわけがしっかりなされていました。
商店街振興組合は、ホームページに事業の内容や経緯やコンセプト(概念)を公開していますが、組合事務局でいただいた資料はその内容は、ホームページのものとはかなり異なり、本音が書かれており、驚きでした。
「郊外に乱立する複数の巨大なショッピングセンター群と、商業力で互角に戦える中心商店街は、地方の中核都市にはありません」
何より、高松最大のターミナル瓦町周辺の衰退について、「交通の便が良い場所に、たくさんの店舗を集めれば、必ずお客様が集まって、売上げが作れると言う「過去の迷信」が、巨大ショッピングセンターが乱立してしまった地方都市においては、もう通用しない時代になっている証」と指摘しています。
そこで「民間投資を促進するために、投資効率を高める為の規制緩和が必要」と、高松市に、都心居住促進地区を作る規制緩和を求めています。
「高松市のような地方の中小都市に、今後、再びオフィス需要が高まる可能性は0%である」この文章は驚きでしたが、数秒して「ああそうだな」と1970年代の高松市を知る私は思いました。
ふじみ野市を始め、地方自治体は空き店舗の再利用の補助金を支給しています。これは、国の財源です。他方、丸亀町は、「どんなにお店を増やしても、商店街は再生できません」と喝破しています。確かに空き店舗にお店は入っても、まちは活性化したようには感じません(なぜでしょうか?)
そして、「周辺居住者が増えれば、町は必ず蘇りますし、都心の商業も必ず蘇ります」
住む人が増えれば、商店、特に飲食店は必ず必要になる。住む人に必要なのは、医療や癒しの施設(温泉や映画館)、すなわち「医・食・住」こそ、現代の商店街。丸亀町は、ドームや路面など、多くの投資をしている。商人が、ビジネスとして生き残りをかけてやっているのだ。
100年続くまち、それが丸亀町のコンセプトなのです。