輝く大人たち
僕にはそれが人生を変えたと胸を張って言える出来事がある。それが17歳の時に参加したアイディアを競う創造力のコンテストだ。
その時の悩んだ時間や負けて知った悔しさが今の自分自身を支えている。と、本気で思う。
当時のコンテストを運営していた染谷さんという方にはとてもお世話になって、コンテストが終わってからも連絡をくれたり家に泊めてもらったりもした。
染谷さんは営業職時代の視察で見た海外の学校を見て、今の日本の学校教育を自らの娘に受けさせたくない!と強く想ったことをきっかけに起業することを決意したカッコいい人。
そんなカッコいい大人でも、電車の中でうつむきがちに言っていた言葉が今でも脳裏にこびりついている。
「いやぁ、地元の友達とかと久しぶりに飲みに行ってもさ、職場の人間関係の愚痴とか、世間のあれはどうなんだとか、ああだこうだって、そんな話ばっかりなんだよね、。」
そう言う顔は確かに笑っていたけれど、少し悲しそうだった。
大人になると、責任だとか次の日の体調や用事だとか、そんなこと何一つ考えずに無茶していたあの頃を、遠くも輝く記憶のように振り返るみたいだ。
昼よりも夜の方が月は輝いて見えるように、幸せは失って初めて気付くようにできているように、大人たちもそんな風にできているのかもしれない。
それでもカッコいい大人は現実に存在するわけで、どうせこんな世の中でも生きるしかないのなら、そんな人間になりたいと、そう思う。
輝く大人たちに。
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