契約書をやりとりする際の必須知識ーWordの「比較機能」

契約書をWordでやりとりするときに「絶対に」使うべき機能が比較機能です。

比較機能とは、2つのWord文書を比較して、相違点を変更履歴付きで表示してくれるものです。普段からWordを使いこなしている方には当たり前の機能ですが、ご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので、簡単にまとめてみようと思います。

そもそも、なぜ契約書をやりとりする際に比較機能を使う必要があるのでしょうか?

例えば、相手が、変更履歴機能を使わずに契約書にコメントをしてくる場合があります。この場合、相手のコメント箇所を把握するためには、自分が送ったファイルと、相手から送られてきたファイルを目視で見比べる必要があります。これはとても大変ですし、相手のコメントを見逃してしまう可能性も高いです。

また、相手が、変更履歴機能を使いつつも、誤って(ときにはわざと?)一部だけ変更履歴なしでコメントしてくるような場合もあります。この場合、相手のコメントを見逃してしまう可能性はさらに高まりますし、後から思わぬトラブルにつながりかねません。

Wordの比較機能をうまく使えば、このような事態を簡単に回避することが可能です。ただ、使い方にコツがありますので、最もシンプルなパターンを2つご紹介します。


1.自分が送った契約書(変更履歴なし)に、相手が変更履歴「なし」でコメントしてきた場合

(1)「校閲」タブ → 「比較」の右にある▼ → 「文書の比較」の順にクリックします。

(2)「元の文書」として自分が送ったファイルを選択し、「改訂された文書」として相手から送られてきたファイルを選択すると、相手のコメント箇所が変更履歴付きで表示された新たなファイルが自動的に作成されます。

このファイルを見ながらコメントバックを作成すれば、相手のコメントを見逃すこともありません。


2.自分が送った契約書(変更履歴なし)に、相手が変更履歴「あり」コメントしてきた場合

(1)相手から送られてきたファイルを開き、「校閲」タブ → 「変更箇所」の右にある▼ → 「元に戻す」の右にある▼ → 「すべての変更を元に戻す」の順にクリックする。すると、相手の変更履歴がすべて元に戻されて変更履歴がない状態のファイルができあがりますので、それを適当な名前をつけて保存します。

(2)「元の文書」として自分が送ったファイルを選択し、「改訂された文書」として(1)で作成したファイルを選択します。

もし相手が変更履歴なしでコメントしてきた箇所があれば、その箇所が変更履歴付きで表示された新たなファイルが自動的に作成されますので、この点に注意してコメントバックを作成します。また、もし変更履歴なしでのコメントがなければ、両文書に違いがないと表示されるので、相手から送られてきたコメント版を信用して問題ありません。


ごく簡単ですが、以上がWordの比較機能の基本的な使い方です。自分から変更履歴付きのファイルを相手方に送るような場合にはもう少し複雑になりますのでここでは割愛します。もしご要望があるようであれば改めて追記します。

ご質問やご指摘、もっと他にいいやり方があるよなどのご意見があれば、ぜひコメントを頂けますと幸いです。

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