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ライブレポ: Meshell Ndegeocello@Billboard Live TOKYO

まじでめっちゃ良かった。良きポイント3つに絞って振り返る。

良きポイント①

Ventriloquismのリリース直後だった前回来日時(2019年)に比べて、ベース・リフやリズムによる表現に比重が戻ってきた。これは初期の作品(Plantation Lullabies, Peace Beyond Passion, etc)を愛聴している自分のようなベースキッズにとって本当に嬉しい。

90年代のようにベースをシバき倒すわけではないけれど、当時バキバキに発露させていた音楽性、ミシェルらしい表現を随所に感じさせるリズミカルなライブで、大変満足。

良きポイント②

ほどよいハレとケのバランスで、The Omnichord Real Bookのコンセプトをずっしりと感じさせるライブだった。

I just wanted to escape that looking at music, you know? I'm looking at waves; I'm looking at a screen. And so a lot of the writing just came from that. Being alone, being by myself — having beginner's mind, so to speak.

On Her New Album, Meshell Ndegeocello Reminds Us "Every Day Is Another Chance"

I love pop music, but I didn't want to entice people with a turn of phrase

On Her New Album, Meshell Ndegeocello Reminds Us "Every Day Is Another Chance"

ポップスのライブに行くと、1曲ごとにハイパワーで恋したり失恋したり、ジェットコースターのような感情の上下を味わう。それはそれで素晴らしい時間になるのだけれど、振れ幅の大きさに疲れる時だってある。

今回のミシェルのライブにも勿論感情のアップダウン、ダイナミクスの変化はあった。けれど、 "Being alone, being by myself" ……(たぶん具体的には)「生活の中で生まれるひとつづつの感情に向き合って丁寧に形にする」と、誰でもこれくらいのアップダウン、ひいてはハレとケの比率になるんじゃないか……と感じさせる。良い意味で人間味に溢れ、聴く側としても自然体で受け入れられた。

結果、ライブとして盛り上がるものの、エモーショナルな疲れはあまり感じず、後味が奥ゆかしい。じんわりと「ああ、本当に良いライブだった、来て良かった」と思えたのだった。

良きポイント③

なんと、I'm Diggin' You (Like an Old Soul Record) を演ってくれた。まさか聴けるとは……。現在のミシェルなりの再解釈であろう落ち着いたアレンジだったので歌い出しまで気付かなかったが、デカい声出た。

しかもステージ降りる時にはファンサというか、お客さんとハイタッチしてて、あれそんな感じ?人間性的にも変化があった?のだろうか。インタビューでも昔を振り返り、尖ってたなーみたいに言ってる箇所があったし。

My social skills were lacking during my early 20s. (中略)
But as I aged, and as a woman, I realized that energy just wasn't really the energy I wanted to have.

On Her New Album, Meshell Ndegeocello Reminds Us "Every Day Is Another Chance"

まとめ

また聴きたいなあ!!毎年来日してほしい。しばらくはミシェルばかり聴く生活になっちゃいそう。

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