障害と宗教 差別と救済の成り立ち 覚書

障害の歴史 2
障害と宗教 差別と救済の成り立ち


※宗教を語るのは一筋縄に行かない。ここでは学問として宗教を考えよう。
先史時代は、単に生き残れない障害者だったが、歴史時代からは障害者の役割が生じ始める。
1万年前、社会の高度・複雑化が進み、組織宗教が形成され、
実社会に宗教が浸透していく中、障害者の概念と役割がより明確になっていく。

【宗教と障害者の関わり】宗教が障害者をどのように捉えていたか?
各宗教で障害の概念が語られ始める一方、弱者を救済する論理も展開される。


  • キリスト教

{救済のロジック}
レビ記(旧約聖書の一書)に、
「耳の聞こえぬ者を悪く言ったり、目の見えぬ者の前に障害物を置いてはならない。」
という記述がある。
教義の基本に「隣人に対する倫理」「共に生きる、互いに愛し合う」があり、障害者や弱者と共に生きていくという考え方が重要視されていた。

新約聖書では、「イエスを信じなさい」それによって罪は全て償われる。イエスの前では障害は関係ない。イエスを信じれば皆が救われるという考え方。

キリスト教が浸透すると、障害者に対する救済が行われるようになる。
「善い行いをすると天国へ行くことが出来る」という教えが広まり、善い行いの一つとして障害者への救済があった。

{差別のロジック}
重い皮膚病は汚れた者。不浄であるので健常者から隔離されていた。

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