マガジンのカバー画像

トウキョ版 二十四節気

15
運営しているクリエイター

#神社

夏の終わりは秋のはじまり * 処暑

UVカットパーカーのフードをしっかり被った上に菅笠を被り草引きをしていたら、授与所の窓口に…

桃虚(toukyo)
9か月前
134

夏至 * 雨の古本屋さんで悶絶する

十年ぶりに蟲文庫に行った。岡山県倉敷市、文字通り古くからの倉が敷き詰められている美観地区…

207

芒種 * 時をかけるご朱印帳

私のオフィスは神社の社務所で、お守りやお札を授与する窓は映画館のスクリーンのように大きく…

144

小満 * 水張るる田に鴨来たりて地主顔

春祭りに献酒をしてくれたみやちゃんに、撤下神饌(神様からのお返し)の筍山椒を渡しに行った…

127

立夏 * 都会の神職 

かつて私にとって粽は想像上の食べ物であった。「せいくらべ」という歌に、粽食べ食べ兄さんが…

159

清明 * 法螺貝の男

三年前の春、祭りが終わって祭器具を片づけていると、首から法螺貝をぶら下げた男がやってきた…

108

雨水 * 荒くたい雹が思い出を刺激する頃

二月の終わり、竹箒で落ち葉を掃いていると雹が降ってきた。それまで見たことのないほど激しい雹で、屋根や窓に当たってバラバラバラバラと大きな音を立てている。私は小走りで神楽殿の軒下に逃げながら「僧侶の方がもっと真剣に逃げているだろう」と考える。坊主頭に当たれば怪我をしそうなほど大きな雹だったからである。 夕方、学校から帰宅した息子に聞いてみると「雹が降った時は渡り廊下に逃げた」と言う。彼は一目見て野球やってるなと分かるスキンヘッドに近い丸刈りなので、空から降ってくるものに対して

小寒 * 秀吉、私が長いあいだ欲しかったものはこれだったよ

豊臣秀吉が所有していた香炉 銘「千鳥」。 かわいい。 こんなにかわいいのが好きだったんだな…

155

大寒 * LDK+N のNとは何の事

神職のふるぽんが、クイックルワイパーを高校3年生の巫女に手渡し、「これ納戸になおしてきて…

97

霜降 * 参道の正中避けて通るねこ

七五三の着物を着て草履を履いた三歳児が文字通りヨチヨチ歩いてくる。お餅みたいだ。常連の参…

33