雨水 * 荒くたい雹が思い出を刺激する頃
二月の終わり、竹箒で落ち葉を掃いていると雹が降ってきた。それまで見たことのないほど激しい雹で、屋根や窓に当たってバラバラバラバラと大きな音を立てている。私は小走りで神楽殿の軒下に逃げながら「僧侶の方がもっと真剣に逃げているだろう」と考える。坊主頭に当たれば怪我をしそうなほど大きな雹だったからである。
夕方、学校から帰宅した息子に聞いてみると「雹が降った時は渡り廊下に逃げた」と言う。彼は一目見て野球やってるなと分かるスキンヘッドに近い丸刈りなので、空から降ってくるものに対して