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ロックしかねーだろ、人生は (最初の旅 vol.07)

とりあえず交渉は終わった、おれっちとボーさんの関係も終わった、ヂ・エンド。

PM1:00 それじゃ戻りますかって、また青いボートに乗って来た道、道と言うかメコン川の支流を通って戻る。その途中で確か川の真ん中に大島(小島だよ!)があって、さらにそこにチョコンと小屋があって、そこに上陸、入室してみるとそこには二人のおっさんが二人チチクリあっていた。お前も参加するか?と聞かれたが、いやまだいい、と言うと、それじゃ俺たちの演奏を聞いてくれと、上半身から服を着始めた。
服を着終わるとそれじゃそこに座ってって言われていくつかのプラスチックの椅子が並ぶ簡単な観客席っぽいところにポツネンと一人で素直に座った。楽器はギターとなんて言う名前か分からないがバイオリンっぽいもので、それらを使った二人のセッションが始まった。多分これもメコン川クルージングのイベントの1つなのだろうかポロロンポロロンと五分程度だったかの演奏を聴いた。チップなどを払ったかどうかは忘れたが、とりあえずパチパチパチと拍手をして終了し、またボートに戻った。聞いた感想としては、無、の一言である。

おっさん二人のコンサート

その後はボートはノンストップで最初に乗った桟橋まで一気に戻って上陸し、そこからまたバイクで一路ホーチミンに戻ることに。

もうボーさんはおれっちに対してフレンドとは言わず、何かあればツアー料金を引き上げようと再交渉してくる。メコン川クルーズの船はお前の貸し切りだった、他の船はたくさん人がいたのにお前は違かった、などととにかく絞るだけ絞ってやろうと剥き出しで突っかかってくるが、もう決まったことじゃないか、と全てをいなす、うんざりする。

PM3:00 バイクには一時間以上は乗っていただろうか、いつものように道端のカフェで休憩をすることに、ボーさんはまたハンモックに揺られながらコーヒーを飲んでいた、いつものように空(くう)を見つめながら。

ボーさん、ビー玉のような目だ

三十分ほど休憩してから再びバイク。途中で小さな食料品店に立ち寄りボーさんは米を購入すると言い出したが、この米を購入するためのお金12ドルがないから払ってくれと、これまたとんでもない無茶を言い出す始末、再びうんざり、疲れる、おれっちの所持金は3ドルしかないから無理。

ホーチミンの中心地が近づくにしたがって再び車、バイク、人、お侍ちゃんが増えだし賑やかになる、なんとかここまで帰って来れたことに安心した。ホテルで残りのツアー料金を払うことになっていたので、ホテルに着いてからボーさんは部屋まで一緒に着いてきた。おれっちはいくら持ち金があるかバレない様にしながらお金を数え、残りの105ドルを支払った。これでボーさんとはお終いかと思ったがこれからホーチミン駅に行って次の目的地であるニャチャンへの電車のチケットを買うことを話すと、なんとボーさんは駅まで送ってくれることになった、うーん、ぽくぽくぽく。

ニャチャンはホーチミンから北東にある海辺の町、リゾート地だ。地球の歩き方で行き方を調べると電車で約9時間ほどかかるとのこと。
ベトナムの電車は南の大都市ホーチミンから首都のハノイまで通っていて(実際はホーチミンよりも南、ハノイから北にも続いている)、夜中もぶっ通しで走る。ちなみにホーチミンからハノイまで直線距離で1137km、陸路だと1800kmくらい、ホーチミンからニャチャンまでは直線距離で320km、陸路で440kmくらいらしい。
また、夜通しぶっ通しで走るので電車には寝台になっていて、チケットは価格で上からソフトベッド(柔らかいベッド、そのまま寝てもクッションがあって快適)、ハードベッド(硬いベッド、クッションなどがなく木のままの下地だと思う)、ソフトシート(イワユル普通のクッションのボックス席)、ハードシート(これも木のままでクッションがないボックス席だと思う)がある。

ホーチミンからニャチャンへ電車で移動することに

ホーチミンからニャチャンだと多分国内線はあったと思うが、今回の旅は全て陸路で走破すると決めていたので電車での移動を選択、また旅行代理店みたいなのも町中にあって、そこでチケットを購入することもできたが値段が高くなるだろうし、まずは自力でやる方が良いと思い代理店は使用しなかった。

ボーさんのバイクでホーチミンの駅(サイゴン駅)まで送ってもらう。駅は人でごった返していたのだが、それってのも明日の4月30日はベトナム戦争終結日、つまりベトナムがアメリカに勝利した日(Victory day)らしく、また5月1日はメーデーだったりするので日本と同じくゴールデンウィークみたいな感じで旅行者が多いのだ。チケット購入する窓口はいくつあっただろうかちょっと忘れたが、まあまああったと思う、そこには人の列ができていて、それも日本のように行儀よく並んではいない、はたしておれっちはこの荒波の中でチケットを購入できるのだろうかとまた不安になる、チンコがキューンと縮む。

ホーチミンの駅(サイゴン駅)、実際これは4月30日電車に乗る前に撮影

咳をしても一人、コホンコホン。 (ガサガサ) おい、大丈夫か? えっ、誰?