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ロックしかねーだろ、人生は (最初の旅 vol.06)

AM11:00 メコン川の桟橋というのだろうか、そこにはたくさんボートというか船が付けられている。その中の青いボートにボーさんが乗り込む、それに続くおれっち、船頭は一人だったと思う、他に客はいない、咳をしても3人だ、貸し切りだ。

メコン川クルーズが始まる
大きい観光船もあった

メコン川がどんな川か知らない、どこの国を通っていて、どのくらい長いのか、知らない、どんな魚がいるのか、どんな仏様の涙から作られたのか。ボートに乗り込むとエンジンがドッドッドッドッドーって発進し始める、最初は川幅が広いところを進んでいくが、10-20分ほどだっただろうか、進んでいくと地獄の黙示録かって感じのジャングルな狭いところに侵入していく。これってもう自力では絶対帰れないよな、とちょっと心配しながら、でもジャングルだー、ウラウラタムタムベッカンコーって叫びながらそれなりにクルージングを楽しんだ。

川幅が狭いところに入っていく
川幅が狭いところを進んでいくんだってば
対向から船が来ると横に停車してギリギリ通す

クルージングというか、ボートに乗っている時間は三十分くらいだっただろうか、ジャングルを抜けたところにちょっとした島があって、そこで止まり上陸することに。

上陸すると鶏がお出迎え
レストランだ!

そうかメコン川クルーズはこの島に来ることが目的というかメインだったのか、ボーさんに連れていかれるままランチを食べようとレストランの席に着く。この島ってどのくらいの大きさだったのだろうか、今となっては分からん。

すげー豪華なランチ

ランチはとにかく豪華だった、めちゃめちゃ手が長い海老が出てきて、フォーだったり、サラダっぽいものを食べる、うん、うまいうまいっつってパクパクと食べた。

この島、このレストランにおれっち以外の客はいなかった、食べ終わってからボーさんと特に話すこともなくボケーっとしていたが、少しずつ緊張感が高まる。この状況、どう考えてもおれっちは不利というか、拉致られている感じ、ここでボーさんがこの2日間の観光に対する対価というかツアー料として、なんと300ドルを提示してきた。おー、おー、きたよ、ピンチだ。だってこの旅の資金は458ドルなんだからここで300ドル払ったらハノイまで到達できないよ、日本に帰ることができない、ベトナムで藻屑となる。
いやいや、Too expensiveだよ、って言っても自力でホテルまでも帰れない、名も知らない島にいるおれっちはどう考えても劣勢。おれっちは昨日ホーチミンに着いた、これからハノイまで行って飛行機で日本に帰らなければいけない、300ドル払ったらそれが無理になってしまう、と説明する。お前はいくら持っているんだ、いくらだったら払えるんだ、と交渉をしてくるボーさん。今までフレンド、フレンドってそれなりに友情的なものが芽生えてはいたが、ボーさんにとってはビジネスだろうが、ボーさんを嫌いになった。こっちもエキサイトして負けてられん、英語では説明というか訴えることが出来ない状態なので、もう日本語で無理無理ってまくし立てて喧嘩状態に。

どのような交渉の過程で決まったのか忘れたが135ドルで手を打つことになった。しかし、今は手持ちで135ドルはないのでホテルで残りを払うとし、ここでは30ドルのみ払った、これだったらホテルまでは無事に連れて行ってくれるだろう。はー。。


咳をしても一人、コホンコホン。 (ガサガサ) おい、大丈夫か? えっ、誰?