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エコロジカル・フットプリント

著者はエコロジカル・フットプリントを提唱し、グローバルでの標準化を勧めているマーティス・ワケナゲルとウィリアム・リースによるエコロジカル・フットプリント。エコロジカル・フットプリントのバイブルとも言える書だ。初心者にもわかりやすいかみ砕いた説明と豊富なイラストでエコロジカル・フットプリントの初学者にとって最初読んでもらいたい。
ところで、エコロジカル・フットプリントとは本書では以下の様に述べられている。

本書より引用>>>
『エコロジカル・フットプリントとは、ある集団が自然に与える“負荷”の計測法の一つである。エコロジカル・フットプリント度は、その集団が現在のレベルの資源消費と廃棄物排出を維持するために必要な土地面積のことである。』
<<<引用終わり

つまり、ヒトや都市、国、そして全人類が生活を維持するのに必要な面積を捉えて環境における課題を明確にするための手法で、定量的な面積で表す。本書でも紹介している仮想の例として、一つの都市を巨大なガラス半球で覆い、閉じ込められた土地の生態系だけでそこに暮らす人々がの生活(生命)を維持するためにはどれぐらいの広さの土地を覆えば永遠に持続できるか、というイメージだ。
この面積算出するために以下の6つの領域に分けて算出する。
(1)農地
(2)放牧地
(3)漁場
(4)森林
(5)住居や鉄道・道路、企業の建物など生活や社会インフラに必要な土地(生態系を生産できない土地)
(6)排出した二酸化炭素を吸収に必要な土地
6つの領域で面積を算出する。もし世界中が日本と同じ生活をすると地球数個分の面積が必要とされる。
この本ではその考え方と実際の算出方法を解説している。 
また、エコロジカル・フットプリントに対するさまざまな批判や疑問にも答えるコラムも用意されており、エコロジカル・フットプリントを進めていく者にとって良き助言を本書は与えてくれるだろう。

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