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顔でわかるダークトライアド

顔を見ただけで、その人の性格がわかるのだろうかと思ったことはありませんか?
European Journal of Behavioral Sciencesに掲載された最近の研究によると、最も望ましくない特徴であるナルシシズム、マキャベリズム、サイコパシーについては、それができるかもしれないそうです。
これらの特性は、いわゆるパーソナリティのダークトライアドを形成し、様々な形態の反社会的で有害な行動と関連しています。
今回のブログでは、この研究の主な結果を要約し、仲間選びや対人関係への影響について考察します。

方法

この研究は、スロバキアのSlavka DemuthovaとAndrej Demuthの2人の教授によっておこなわれました。
彼らは13歳から80歳の631人(51.2%が女性)の参加者を募集し、オンラインアンケートを実施しました。アンケートの内容は、コンピュータで作成した男女の顔写真のペアを提示し、どちらの顔がダークトライアドの特徴の1つに一致するかを選んでもらうというものです。
たとえば、ナルシシズムの場合、その説明は次の通りです。
「不適切なほど肯定的な自己イメージと誇示的な傾向をもち、自分の卓越性を他者から認めてもらうことを求める人を表しています。どちらの顔がよりマッチしているように見えますか?」
というものです。
顔の合成は、Faceaurusと呼ばれるデータベースを用いておこなわれました。
このデータベースには、ダークトライアドの特徴について自己および他者からの評価で高得点または低得点となった人の顔が含まれています。
研究者たちは、参加者の選択の正確さを計算し、性別や特徴を超えて比較しました。

結果

その結果、男女ともに異性の顔からダークトライアドの特徴を統計的に有意な精度で検出することができ、その選択はランダムではないことを意味しました。
しかし、特徴や顔の性別によって、その性能に若干の違いがありました。女性は男性の顔からサイコパシーを最も正確に検出し、男性は女性の顔からマキャヴェリズムを最も正確に検出しました。
ナルシシズムの検出は、男女ともに最も精度が低かったようです。また、研究者たちは、特徴や性別の違いによる検出能力を比較するために、正解と不正解の割合である正誤指数(CI)を計算しました。
CIが高いほど、検出能力が高いことを意味します。
男女の平均CIは、サイコパシー(1.744)が最も高く、次いでマキャヴェリズム(1.675)、ナルシシズム(1.255)が最も低かったです。

考察

著者らは、この結果を、人間が顔の特徴からダークトライアドの特徴を見分ける能力、特に同居や生殖に高いリスクをもたらす特徴を見分ける能力を進化させた証拠であると解釈しました。
この能力は、仲間選びや有害なパートナーの回避に適応的な価値をもつ可能性があると示唆しました。
また、特徴によって精度が異なるのは、危険性の程度や対人関係への影響の違いを反映しているのではないかと推測しています。
たとえば、サイコパシーは、身体的・心理的暴力、低い共感性、反省の欠如と関連しているため、ナルシシズムやマキャヴェリズムよりも有害である可能性があります。
したがって、サイコパスを顔から見分けることができれば、ナルシストやマキャヴェリストを見分けるよりも有益である可能性があります。

結論

結論として、本研究は、顔の特徴から性格を判断する方法、特にダークトライアドに属する性格を判断する方法について、興味深い洞察を提供するものです。
しかし、本物の顔ではなく人工の顔を使用したこと、参加者の年齢分布が非正規であること、表情、姿勢、行動、言葉による合図など、顔の知覚に影響を与える他の要因を考慮していないことなど、いくつかの制約もあります。
したがって、より現実的な環境、より多様なサンプルでこれらの知見を再現し、拡張するためにさらなる研究が必要です。
とはいえ、この研究は、邪悪な性格の人と関わるのを避けたい人に、「相手の顔をよく見て、自分の直感を信じる」という有益なヒントを与えてくれます!

元論文

Demuthova, S., & Demuth, A. (2023). The Ability to Detect the Characteristics of the Dark Triad from Facial Composites of the Opposite Sex. European Journal of Behavioral Sciences, 6(2), 23-35.


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