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岸辺露伴ルーヴルへ行く〜感想&諸々のお話し〜ネタバレ&長文です

「岸辺露伴は動かないの」テレビシリーズがスタートしたのは2020年の年の瀬。
そのドラマシリーズが大好評を博して賞も受賞したのは皆様記憶に新しい事かと思います。

2020年から3期ドラマも放送されNHK暮れの風物詩となった感のある今年2023年、満を持しての映画化。

タイトルは「岸辺露伴ルーヴルへ行く」

原作ファンの方には有名な本作ですが、原作を「ホットサマー・マーサ」以外は今だに読んだ事がが無く。
漫画の単行本は映画封切り前に購入しましたが、それもは封印したまま映画を拝見させて頂きました。

オープニングはドラマの始まりとは異なり、微睡みから目覚める露伴先生の姿と言う一生さんファンの私から見たらもうありがとうございますなシーンでスタート。

若き日の露伴先生が出会った謎の女性奈々瀬に教えられた見ても触ってもいけない恐ろしく黒い絵。
その絵がルーヴル美術館にあると知って相棒泉くんとパリに旅立つ露伴先生。

今回天然泉くんの存在が暗く重く悲しい本作に明るい光をくれたのが本当に有り難かった。
通常通り天然パワーを振りまきつつ露伴先生に付き添う時、優しくエマに寄り添う時、亡くなったお父さんについて語る時、1人だけ黒い絵のパワーを受けなかった時。
泉くんの存在がこの作品に与えてくれる力の大きさを痛感した今作でもありました。

そして1番心を持って行かれたのがやはり奈々瀬の過去パート。
実は奈々瀬は岸辺の血を受け継ぐ人で露伴先生の祖先。
そして物語の序盤から名前が出ていた黒い絵を描いた絵師「山村仁左右衛門」の妻。

露伴先生の祖母が奈々瀬の事を「そんな人いたっけ?」ってなったのはもしかして記憶を祖母から奈々瀬が消して消えたのかなあと思ったり。

そして仁左右衛門を演じたのは高橋一生さん。
実は露伴先生と二役だった一生さん。
もう井戸の底の民は根こそぎ気持ち持ってかれましたよ。
仁左右衛門の最期が政次さんの最期と重なってもう泣けて泣けて。
あの演出は渡辺さんが監督だったからかなあと思わずにはいられない。

優しく奈々瀬を見つめる若き日の仁左右衛門。
父親に御用絵師として否定されて家を出て好きな絵に取り組むうちに黒に取り憑かれ
そして奈々瀬を殺されて夜叉になり役人を殺め御神木を傷つけ黒い絵を描きあげ奈々瀬と寄り添いこと切れる仁左右衛門。

なんかもう胸が苦しかった。

露伴先生も奈々瀬を読んで自分のルーツを辿り逃れられない血脈を感じたのかなと自分は思いました。
「あの夏は必要な過去」と自分の中できちんと昇華し露伴邸に戻った後は通常営業の露伴先生で。

いつもの準備体操。
部屋は片付き、訪ねて来た泉くんを早々追い出しにかかる露伴先生にクスッとしつつドラマシリーズと同じエンドロールに何だか安心感。

非日常に連れて行かれた貴重な2時間をプレゼントして頂き心からありがとうございました。

今回も拙い文章にお付き合い頂きありがとうございます。

映画化第2段&ドラマシリーズ4期に期待しつつ今回はこの辺で。





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