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「宇宙生活」という名の自助会と出会って

一年ほど前に、京都府立大学の横道先生が主催する自助会で、
「宇宙生活」というのがあることを知った。

この「宇宙生活」という名の自助会は、
貧困やアダルトチルドレン、難病といった
生きづらさを持った人向けのものだ。

あれから一年経った今では、
他の自助会にも顔を出すようになった。

一歩を踏み出してから今に至るまでの経緯を
簡単に振り返ってみた。

ドキドキの初参加の思い出

私はこの自助会に参加するまで横道先生とは面識が無く、
宗教二世の当事者としてX(旧Twitter)でつながっていただけだった。

「何で”宇宙”なんだろう?」

ちょっと変わったネーミングに、
私は何とも言えないモヤモヤした感情を抱えていた。

「下手したら、何かスピってるような集まりなんだろうか」

一瞬頭の中を、不安がよぎった。

理系の大学院出身者である私にとっては、
理系の大学を出たわけではない人が
「宇宙」だとか「量子力学」とかいう言葉を使っていたら、
それはもうかなりの確率でスピっている人だというイメージだったのだ。

周囲に溶け込めずに、浮いてしまったらどうしようかという不安をよそに、
実際に参加してみると、
特に心配していたようなことは無かった。

その回に参加していたのは、
たまたまASDの人が自分も含めて数人程度だった。
一人一人順番に話しながら問題を深掘りしていく感じで、
大勢の中でタイミングを見計らって発言するのが苦手な私には
ちょうどよかった。

その当時には、仕事や収入をどうしていくのかで悩んでいた。

「問題を抱えた人同士で話し合って、何か解決につながるんだろうか?」

そんな心配をしていたものの、
実際には、いろんなアドバイスをもらえ、前向きな気持ちになれた。

これが、後に私が自助会に強い興味を持つきっかけにもなった。

もっと学びたいという気持ち

私が最初に自助会に参加するようになった時には、
まだあまり自助会の存在が世間に知られていなかったのか、
参加者はそれほど多くなかった。
ところが最近では、20人くらいは当たり前のように来る。

フリートークの時間はあるものの、
一人が話せる時間は限られている。
場合によっては、他人が話しているのを
ひたすら聞いているだけということも多くなってきた。

「自分でも何か、自助会やりたいなぁ」
ふと、そんな気持ちが芽生えてきた。

そうしているうちに、
他の自助会はどんな感じなんだろうかと
なんとなく気になり始めた。

主催者が違うだけで、
やってることは同じなんだろうか。
それとも、自助会によって何か違いがあるんだろうか。

自分でも自助会が開催できるようにするためには、
やはりいろんな自助会に参加してみて
経験や知識を深めておくことが大事だと思うようになった。

新たな宇宙へ

横道先生の「宇宙生活」の他にも、
いろんな団体が自助会を開催している。

その中で私が次に参加する自助会として選んだのが、
NPO法人のDDAC(発達障害をもつ大人の会)が主催する
「関西ほっとサロン」という自助会だった。

主催している団体のことは、
ずっと前から知っていた。

私が発達障害の診断を受けた時から、
ネットで検索して団体や自助会の存在は知っていたものの、
長い間、サイトのアドレスをブックマークに保存して、
数年間もそのままの状態だったのだ。

それがまさか、ここにきてつながることになるとは
思ってもみなかった。

noteで自助会関連の記事を書いていると、
驚いたことに団体の代表の方にフォローされ、
「これも何かの縁なのかな」
と、挨拶も兼ねて自助会に顔を出すことにした。

さらにこれがきっかけで、
DDACに正会員として登録することになり、
ピアリーダーとしての一歩も踏み出すことになった。

DDACでは、ピアリーダーの育成も行っていて、
自分でも自助会をやってみたいと思っていた私としては、
こんな偶然があるんだろうかと思うくらいだった。

全ては「宇宙生活」から始まった――。
そう言ってもいいくらい、自分にとっての自助会との歩みは、
この宇宙生活との出会いが原点になっている。


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