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FRBは早目にテーパリングを始める?その場合ドルは上昇する?(マネトレ! 2021年5月)

※こちらはオンラインセミナー「超実践FX~マネ育トレーニング」の講演内容をベースにしています。

<マネ育相談BOXに寄せられたご質問>
FRBは早めにテーパリングを始めるのでしょうか?この場合、米ドルは上昇しますか?


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そもそも、「テーパリング」とは中央銀行の量的金融緩和による毎月の資産購入の規模を段階的に縮小し、最終的に資産購入額をゼロにする事を目的としています。
現在、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、金融市場や経済を支えるため、大規模な金融緩和を行っていますが、市場には米景気が一段と回復すれば、再びテーパリングが行われるとの見方が広がっています。

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FRBは2014年1月~10月までテーパリングを実施した経緯があります。
一般的に中央銀行による国債買い入れの縮小は、需給緩和による国債価格の下落(利回り上昇)要因とはなりますが、2013年5月に当時のFRB議長であるバーナンキ氏が予期せぬタイミングでテーパリング実施を示唆した事から、米国債利回りが急上昇し、金融市場が混乱した出来事がありました。

なお、2013年5月のバーナンキ発言で、市場は一時的に動揺したものの、結果的にテーパリング開始を織り込みました。
そのため、2014年に実際にテーパリングが始まると、市場は比較的落ち着いてこれを受け止め、強い反応は見られませんでした。
したがって、今後、再び米国でテーパリングが実施される場合にも、大きな混乱を回避するために、ゆっくり市場に織り込ませると見ています。

テーパリング開始に関し、示唆があればドル高に動くとは思いますが、実際に開始すると織り込み済のため、市場の反応は前回同様に限定的でしょう。
そうなると、次の焦点は「利上げ時期」に移ることになります。
利上げ時期を巡る思惑でドル相場は左右される事になるので、経済指標や連銀高官の発言にもしっかり目を配りましょう。

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おわりに

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