2/8 高金利レポート①南アランド トレンド見極めの重要局面に 大統領演説に注目
【ランド/円ファンダメンタルズ 中銀は大幅利上げには慎重姿勢】
南アフリカではインフレが上昇基調にあり、昨年12月は前年比+5.9%と南ア中銀(SARB)のインフレ目標(3-6%)の上限に迫った。このため、SARBは1月27日の会合で25bpの利上げを行い政策金利を4.00%に引き上げた。ただ、声明は「インフレ期待を十分に固定し将来の金利の動きを緩やかにするためには、政策金利の段階的な引き上げで十分だと考えている」とするなど、やや慎重なトーンであった。新型コロナウイルスの感染拡大などで景気回復の足取りが鈍い事から、SARBは大幅な利上げには慎重と見られる。なお、次回の会合は3月24日に開催される。
【ランド/円テクニカル トレンド見極めの重要局面】
右上がりの20日移動平均線が年始からの上昇トレンド継続を示唆しているものの、7.5円台の上値の重さも目立つ。足元では7.4円台の20日移動平均線を割り込んでおり、下向きに転じた5日移動平均線が20日移動平均線を下抜く「ミニデッドクロス」の示現が間近。7.3円台の100日移動平均線を割り込めばトレンド転換に至る可能性が高まりそうだ。上昇トレンド継続か終了かを見極める重要局面に入ったと言えそうだ。
【ランド/円注目ポイント 大統領&財務相演説】
2月10日にラマポーザ大統領が一般教書演説(所信方針演説)を行う。演説の中で重要政策が発表されるケースも少なくない。過去には国営電力会社エスコムの救済プランが発表された事もある。また、23日にはゴドングワナ財務相が2022/23年度の予算演説を行う。公的債務の軽減と財政赤字の削減を進める強い姿勢を打ち出せるか注目したい。そのほか、注目の経済指標としては16日に1月消費者物価指数(CPI)が発表される。